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ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード01=ウォーロードの証言――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第154回

 ブランチャードの証言は“ビンスとの会話”の再録だった。 「WWEと契約するまえ、あるホテルのプールサイドでビンスと話した。(ビンスは)ステロイドやマリファナはかまわないがコカインだけはやってくれるな、という会話だった」 「ステロイドを使いはじめたのは1977年。ジム仲間から買った」  オシェー検事の「NWA=WCWとWWEを比較した場合、ステロイド汚染の比率は?」という質問にブランチャードは「(比率は)ちょうど同じくらいだと思う」と答えた。  弁護側のジェリー・マクデビット弁護士とローラ・ブレベッティ弁護士のふたりがこの4人の証人への反対尋問をおこなった。マクデビット弁護士がジンクに「あなたは3週間まえにリンダ・マクマホン役員に電話をかけ、『マスメディアにネタを売るぞ』と伝えましたね」と質問すると、ジンクはあっさりとこれを認めた。さらにマクデビット弁護士は、シピンスキーがごく最近、弁護士を通じてWWEに再雇用を求めた事実を指摘。シピンスキーはこれを認めた。  検察側が描く「ビンス・マクマホンは配下選手に対し指定薬物=ステロイド使用を命令した」という筋書きには、どうやら公判初日にしてヒビ割れが生じた。公判2日めの証人はザホリアン医師だった。(つづく)
斎藤文彦

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