更新日:2017年03月30日 20:03
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南シナ海問題で中国政府が煽る民衆デモの正体【中国人漫画家・孫向文】

中国政府も煽り立てる抗議活動

 暴走する中国の抗議活動に対し、中共政府は表面上沈静化を呼びかけているものの、上述の仕込みのように実際は国民たちを煽り立てています。この現状を受け、冷静に事態を見つめている層の多くが「義和団の乱」を連想しているようです。  義和団の乱とは19世紀末期の中国で発生した抗議活動で、当初は民間団体による外国人排斥運動でしたが、当時中国を支配していた清王朝の策略により、しだいに対外戦争へと変化しました。外国を敵視して国内をまとめ上げようとする中共政府の政策は、まさに清王朝と同一のものです。  南シナ海をめぐる「現代の義和団の乱」に対し、冷静な層は「2012年に発生した反日デモと同じく、政府による自作自演だろう」「政府は自国民を白痴化させるつもりか?」、「本当の愛国者は、昼間仕事をしている」という批判をネットなどに次々とよせています。これは僕の見解にすぎませんが、日本の左派・リベラル層は多くの人が勤労している平日の昼間の最中、大勢で集合しデモ活動を行います。僕は彼らと中国の抗議者たちに共通点を感じます。  今回の例のみならず過去のデモ活動、そして日本における粗暴な振る舞いを見て中国人に嫌悪感を覚える方は多いでしょう。だが漢字や干支など日本に様々な文化を伝えた古代中国に対し、尊敬の念を抱いている日本人は少なくないと知人からうかがったことがあります。  司馬遷や魯迅、あるいは岳飛や「三国志」の関羽など古代中国の偉人たちは、日本のみならず世界各地で崇拝されています。僕は中国の人々がかつての品格を取り戻すためには、中共政府の退陣、ならびに民主主義化での再教育が必須条件になると思います。 【孫向文(そん・こうぶん)】 中華人民共和国浙江省杭州市出身、漢族の33歳。2013年に来日以降、雑誌やインターネットを中心に漫画やコラムを執筆している。最新刊に「中国が絶対に日本に勝てない理由」(扶桑社)
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中国が絶対に日本に勝てない理由

中国人だからこそ、知り得た日本の素晴らしさを、マンガでわかりやすく解説!

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