中国視点で描かれた太平洋戦争のウソ[漫画家・孫向文]
こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。
2016年7月31日、僕の新刊「中国が絶対に日本に勝てない理由」(扶桑社刊)が発売しました。書籍の中で僕は2015年9月に横田基地内で開催された日米友好祭を取り上げ、日米がかつて激戦を繰り広げたにも関わらず強固な同盟関係を築き上げていること、そして中国がいまだに日本軍を撃退したことを誇示し続けていることを紹介しました。短期集中連載4回目の今回は「中国側の視点から見た太平洋戦争」をお伝えします。
現在の中国国内では「抗日戦争」(日中戦争)は「共産主義(中国)がファシズム(日本)に打ち勝った戦争」と定義されています。そのため国内の学校では、「共産党軍が悪い日本軍を退治した」といった誇張された武勇伝ばかりが紹介され、抗日戦争以前は中国国内が内戦状態だったこと、共産党軍が国民党軍と共同で日本軍に立ち向かったといった虚構が記述されています。
抗日戦争の勝利は共産党軍の力によるものと伝えられ、当時は同盟関係であったはずの国民党の指導者だった汪兆銘や蒋介石は、共産党に対する反乱分子と見なされ「漢奸売国奴」と教えられます。さらに「南京大虐殺の死者30万人」など、抗日戦争時の日本軍の行為を徹底的に誇張、捏造し国内の反日感情を高めます。中共政府にとって、抗日戦争とは自分たちの存在を「英雄化」するための重要なプロパガンダです。
そのため、中国の教科書には執拗なまでに抗日戦争の情報が記述される一方、日米間の争いである太平洋戦争についてはごくわずかしか触れられていません。大半の中国人は太平洋戦争という言葉自体を知らず、日本軍を撃退したのは共産党軍という印象を持っています。その一方、僕の祖母は第二次世界大戦の時代に実際に立ち会った経験があり、しかも共産主義下の洗脳教育を受けていないため「真実の歴史」を知る人物でした。僕が中学生の時、歴史の教科書を読んで冷笑し「日本軍を撃退したのは共産党ではなくアメリカ軍」と教えてくれました。僕が中共政府に疑問を感じはじめたのはその頃です。
2010年に初めて訪日した際、僕は日本の方々と交流することにより、初めて「太平洋戦争」という言葉を知りました。それと同時に日本軍にとって抗日戦争はあくまでも「片手間」の戦争だったこと、全身全霊をかけて戦った相手がアメリカ軍だったことを知りました。反米政策を推進している中共政府にとって、「アメリカが中国を手助けした」という歴史的事実は非常に都合の悪いものです。そのため中国の教科書には太平洋戦争の情報は記載されないのでしょう。
プロパガンダに利用される抗日戦争
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『中国が絶対に日本に勝てない理由』 中国人だからこそ知り得た日本の素晴らしさを、マンガでわかりやすく解説! ![]() |
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