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40年ローンを払い終えたマイホームが傾いて…

◆ポスト震災[首都圏不動産選び]の新常識(3)

【CASE3】神奈川県横浜市港北区


駅から徒歩わずか1分の小机住宅。背後には日産スタジアムが立っている


 50年前の造成地が沈下。「やっとローンを払い終えたと思ったら……」

「傍目からはわからないかもしれませんが、みなさんおうちが傾いているんですよ。もう、家の中は生活に支障が出るほどに……」

 横浜市港北区小机町に住む主婦はこう嘆いた。40年前に建て、やっとの思いでローンを払い終えたマイホームが傾いてしまったのだ。

 湾岸部に被害をもたらした液状化現象が、わずか100世帯のしかも内陸の小机集落でも起きていた。JR小机駅から徒歩1分の好立地。被害があったのはわずか17世帯というから驚きを隠せない。主婦がこう打ち明ける。

「この辺りは県が田んぼを宅地造成して売り出した集落です。それだけなら問題ないんですが、被害があった場所はその昔、田んぼの前は沼だったそうなんです。そこだけが地盤沈下したんですよ」

 震災前、液状化が起こりやすい土地は埋め立て地や河口、昔河川が流れていた土地とされていた。しかし沼や池の跡地でも液状化の恐れがあるため地歴を手繰る必要があったわけである。

 住人たちは今も傾いた家での生活を強いられている。そのため被害者の会を結成し、早期の修復を造成主である県に求めている。被害住民の代表に話を聞けば、「県は当初『造成は50年前のことなのでもう責任がありません』との回答でした。その後に知り合いの議員さんが働きかけてくれて、なんとか地盤調査だけはしてくれることになったんですが、その後は全く未定です」と行政の怠慢に疲れ果てている様子だった。「完全に修繕するには1000万円ほどかかるそうです。そんな貯蓄もないし、家も古いからきっと値段もつかない。住人はもう年だし、引っ越すなんて到底無理です」と諦めにも似た言葉がこぼれた。

白枠が地盤沈下の被害が確認された住宅。
それ以外は無傷だった


3月11日の地震で10cm沈んだ駐車場が、
その後の余震でさらに10cm沈んだという




取材・文・撮影/野中ツトム(清談社) 高木瑞穂 遠藤るりこ(ビッグアップルインターナショナル) 遠藤修哉・八木康晴(本誌)




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