ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード12=オシェー検事の逆襲――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第165回
弁護側のジェリー・マクデビット弁護士は、反対尋問のなかでセイジス氏に“助け舟”を出した。
――ステロイド購入はあくまでも検察側の“シナリオ”であって、そもそもその2枚の銀行小切手がなんのために使われたのかをあなたは知らないでしょ。
「知りません」
――大陪審での証言のあと、あなたは1988年から89年までの会社の帳簿をもういちど徹底的に調べましたね。
「はい、調べました。1985年から現在まで、ザホリアン医師への小切手発行はその650ドルと530ドルの2回、合計1180ドルのみです。帳簿に“医療費”として記載されているのは、小切手の宛名がドクターとなっていたため、スタッフが医療費と考え、そう記入したものです」
――タイタン・スポーツ社は1986年から91年まで毎年、税務調査を受けていますね。
「IRS(国税局)の調査が毎年入るため経理はクリーンで、脱税やごまかしはいっさいありません」
オシェー検事はセイジス氏のこの発言を「異議あり」とさえぎった。
――ビンス・マクマホンとハルク・ホーガンのステロイド購入が“個人”の問題ですか?
「会社は会長の“個人商店”です」
オシェー検事は「だから会社ぐるみの犯罪なんです!」と声を荒げた。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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