ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード14=エミリーの司法取引――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第167回
弁護側のジェリー・マクデビットWWE顧問弁護士は、ファインバーグ氏の証言のあいまいな部分にメスを入れた。
――あなたは、ビンスからホーガンへのステロイドの流通は6回か7回、とはっきり証言しましたね。
「イエス」
――1988年6月18日、1988年7月21日、1988年12月21日にもザホリアン医師からビンスに宅配便が届きました。これらのパッケージの中身はやはりステロイドで、あなたが電話でザホリアン医師に発注したものですか?
「わかりません。思い出せません」
――それでは“4・13パッケージ”はあなたが発注したものですか?
「はっきりとはおぼえていません」
――箱の中身は見ましたか?
「見ていません。いつもビンスが自分で箱を開けていました」
――ビンスはあなたの目の前で箱を開けて、ステロイドを分けた?
「わかりません」
――この箱から出てきたステロイドは、ホーガンの手元に届けられた?
「その箱だったかどうかはわかりません」
――ビンスの専属ドライバーだったジム・スチュワート氏がホーガンにステロイドを届けたのですか?
「その箱だったかかどうかはわかりません」
――あなたは大陪審で「ホーガン用のステロイドをザホリアン医師に発注したのは3回」「ビンスがステロイドを自分用とホーガン用に分けているところを見た」「ビンスの運転手がホーガンにステロイドを届けた」と証言しました。3回が6、7回に変わったのはどうして? スチュワート氏はほんとうにホーガンにステロイドを届けたのですか?
「わかりません」
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