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ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード14=エミリーの司法取引――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第167回



――“10・24パッケージ”について質問します。オフィスに届いた箱はいったん開封され、それからホーガンに“配達”されたわけですか?

「そうです」

――大陪審であなたは「ホーガンの手元にじかに届けてもらうため、運転手のスチュワート氏にステロイドを渡すようビンスから頼まれた」と証言した。しかし、この公判ではあなたはフェデラル社の宅配便を使った、と証言を変えた。それはどうして?

「宅配便が使われたこともあったことを思い出したからです」

――ナッソー・コロシアムに届けられたかも、という証言がありましたが、それは不可能なんです。なぜなら、ナッソーのハウスショーは10月20日です。事件の4日前なんです。

 ローラ・ブレベッティ弁護士もまたきわめて用意周到な反対尋問でファインバーグ氏を追いつめた。

――ビンスとリンダ夫人は(1989年)4月12日から17日までバケーションでヨーロッパに滞在していました。だから、“4・13パッケージ”が届いた日、ビンスは会社にいなかったのです。

「思い出せません」

――1991年9月にタイタン・スポーツ社を退社後、92年9月までの1年間、あなたにはそれまでの年俸と同額の6万3000ドルのボーナスが支払われていた。しかし、あなたはその後もビンスに“給料”を要求した。

「それはちがいます。オファーがあったのです」

――あなたはこの公判での証言と引き換えに事件への関与を認め――司法取引により――共犯者としての起訴を免責されたのですね。


 ブレベッティ弁護士は「質問は以上です――」とジェイコブ・ミシュラー裁判長に告げた。(つづく)

斎藤文彦

斎藤文彦

※この連載は月~金で毎日更新されます

文/斎藤文彦 イラスト/おはつ

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