更新日:2017年11月30日 15:11
スポーツ

ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード19=オシェー検事の論告――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第172回

公衆電話 オシェー検事にとっての“逆転ホームラン”とは、みずからの論告のスピーチによって陪審員から有罪の評決を導き出すプロセスであったことはいうまでもない。オシェー検事は、まずこの事件のおもな登場人物とその基本的なレイアウトをミシュラー裁判長と陪審員に提示していった。 「WWEはジョージ・ザホリアン医師の白衣の影に隠れ、会社ぐるみでその最大のスーパースター(ホーガン)に違法薬物を供給していた」 「ドラッグの販売・流通で(WWEが)利益を得たことはないという議論はウソ。WWEは違法薬物でスーパースターを製造し、巨大な利益を上げた。ステロイドの使用が選手個人の選択という議論もウソ。薬物を使った選手がつねに優遇されていた」 「タイタン・スポーツ社のトップ3人、ビンス・マクマホン会長、リンダ・マクマホン社長、パット・パターソン副社長は(選手たちの)違法薬物の使用とその状況を把握していた。そして、ザホリアン医師に捜査の手が伸びていることを知ると、同医師との“関係”を清算。ビンス・マクマホン会長はリンダ・マクマホン社長を通じてパット・パターソン副社長に書類、書簡の破棄を命じ、会社ぐるみで証拠隠滅を図った」 「パターソン副社長はザホリアン医師との連絡に(盗聴される心配のない)公衆電話を使っていた。これはまさに犯罪者の行動そのものである」
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オシェー検事は社内メモを読み上げた
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