ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード19=オシェー検事の論告――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第172回
※全20話のシリーズとして“ザ・ステロイド裁判”をお届け。この裁判はいまから22年まえの1994年7月、ニューヨーク州ユニオンデールの連邦裁判所で公判がおこなわれた刑事裁判である
原告側のショーン・オシェー検事は論告での“逆転ホームラン”を狙っていた。弁護側のジェリー・マクデビット、ローラ・ブレベッティの両弁護士は、最終弁論で検察サイドが描いた事件の見立てを「ハルク・ホーガン(の人気)を利用して組み立てられた事件なき事件」「犯罪行為のないところに犯罪を創造するためのアイディア」と断じた。
公判3週め(1994年7月18日)、ジェイコブ・ミシュラー裁判長は弁護側の主張の一部を認め、ビンス・マクマホンとタイタン・スポーツ社(WWEの親会社=当時)の両被告に対する①販売・流通を目的とした規制薬物の所持②規制薬物の販売・流通の2件の起訴を取り下げ、起訴ずみの罪状のうちの③規制薬物の販売・流通に関する共同謀議のみを争点とすることを正式に決定した。
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