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2012年雇用問題 自動車部品工場がストップする?

◆中高年雇用と非正規雇用を襲う、“時限爆弾”の深刻度

団塊世代が大量退職すると騒がれた2007年問題。その後、再雇用制度によって65歳まで働けるようになったが、5年後となる’12年、大量退職が発生することになった。これは大規模な労働力低下を意味するのか!? 東洋経済HRオンライン編集長の田宮寛之氏は語る。

「国勢調査によれば、そもそも60歳以上の労働者自体が徐々に少なくなっています。深刻な労働力低下には至らないでしょう」

では、この大量退職で新卒採用が改善されたりするのだろうか?

「新卒採用が芳しくないのは、大学生が増えすぎたことや、それに伴う企業側の厳選採用、留学生採用の増加などが要因。『人手不足=大量採用』という単純な図式にはならないはず。また、厚労省の調査によれば、70歳まで働ける企業は13万8000社のうち約17%。ですから、中高年の雇用創出にも繋がらないのでは」

ということは、そんなに大問題じゃない?

「’07年のときに問題視され、改善された面もあるので、今回の打撃はさほど大きくはないはずです」

しかし、安心するのは早い。’12年には派遣社員、契約社員の大量流出も問題化するのだ。国際産業労働調査研究センター代表の木村大樹氏は次のように語る。

「’08年の派遣切り問題の後、いったん景気が持ち直し、’09年から派遣社員の受け入れ、契約社員の採用が始まりました。しかし、派遣社員は法律で受け入れ期間が最長で3年と決まっている。契約社員も、契約期間を2年11か月と設定する企業が多い。そのため’12年に派遣社員と契約社員の契約切れが大量発生する」

受け入れ期間延長や正社員登用で解決できないのか……?

「派遣の規制緩和は難しいし、派遣社員を入れられない、正社員を増やしたくないという企業も多い。契約社員を募集しても、以前と同様の労働力が確保できるかは未知数です」

そのため製造業などでは、工場が止まる事態も考えられるという。

「例えば自動車は、数万ものパーツが多くの部品工場で製造されます。このうち1つでも人手不足で部品が作れなくなれば、自動車が完成しないこともありえる」

雇用不安に加え製造業への打撃まで! 早急な解決策が望まれる。

― やっぱり[2012年問題]がやって来た【5】 ―

取材・文/鼠入昌史・糸数康文・森石 豊(オフィスTi)





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