ミック・フォーリー インタビューPART2 意識下の暴力――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第216回(1996年編)
――暴力のための暴力であってはならない、ですね。
「わたしはデスマッチをやることでピース・オブ・マインド(心の平和)を手に入れることができるんだ。そして、観客もまたわたしのデスマッチを観ることでピースを手に入れることができる。川崎スタジアムにいた3万人のファンは、きっとハッピーな気持ちで家路につくことができただろう。わたしが彼らのなかにある“意識下の暴力”をテイクケアしてあげたからなのだ。デスマッチを目撃することで、心のどこかにこびりついている暴力への欲求のようなものを満たすことができるのだ。あれをやることで、わたしの気持ちもピースフルなものになる。わかるかな?」
――はい、なんとなく。
「“痛み”は知らないよりも知っていたほうがいい。わたしはビッグ・ショット(大物)になりたいとは思わない。また、他人よりもえらくなった、とは考えたくない。10年後、20年後もみんなの心のなかに残っているレスラーになりたいだけだ」(この項おわり)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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