時代はオルタナティブを求めていた――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第213回(1996年編)
時代はオルタナティブを求めていた。オルタナティブalternativeとは“二者択一の”“(ふたつ以上のものから)選択すべきもの”“選択の対象となるもの”“代わりとなる――”といった意味の形容詞・名詞。アメリカのプロレスファンはチョイスすべき新しい選択肢を探していた。
1990年代後半からミレニアムにかけて世界的なムーブメントとなったオルタナティブ・ロックは、ヘヴィーメタルでもパンクでもプログレシブでもない新しい音の流れだった。
これをプロレスに置き換えてみると、WWEの90年代後半のニュー・ジェネレーション路線はリングの上のオルタナティブの提案だった。プロレスにおけるオルタナティブとは、ハルク・ホーガンでもリック・フレアーでも、あるいは“マッチョマン”ランディ・サベージでもない新しいサムバディーということになる。
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