時代の一歩先を拝み渡りしたHAKUSHI=新崎人生――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第219回(1996年編)
WWEでのサーキット生活はまさにお遍路さんの巡礼そのものだった。ニューヨーク・ニューヨークを本拠地にアメリカとカナダの主要都市はくまなくまわり、WWEのブッキングで東海岸エリアのインディー団体の試合にもゲスト出場し、海外ツアーではヨーロッパやプエルトリコまで足を伸ばした。
1995年5月のPPV“イン・ユア・ハウス1”でブレットとシングルマッチで対戦したことがあったが、WWEのPPVでメインイベントのポジションで試合をするということがどのくらいすごいことなのかを当時の日本のプロレスマスコミ、プロレスファンはいまひとつ理解していなかった。
白使は2.20“WWEスーパースターズ”TVテーピング(ウエストバージニア州)でのゴールダストとのシングルマッチを最後にいったん帰国。新日本プロレスの東京ドーム大会(1996年4月29日)でグレート・ムタとシングルマッチで対戦し、その後、5月にニューヨークに戻り、WWEとの契約を途中解除し、ホームリングのみちのくに帰ってきた。
やっぱり、お遍路さんはひとつの土地にとどまることはできない。新崎は四国八十八カ所巡りのオプショナル・ツアーとして世界を巡礼したのだった。白使White Angelは、あくまでも新崎人生の世をしのぶ仮の姿だったのである。
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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