ビンスが選択した“ショーンの時代”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第225回(1996年編)
ディーゼルは予想どおりといえば予想どおり、試合終了のゴングと同時にリング内に乱入。Tシャツにデニムというふだん着のまま、ついこのあいだまで“親友”だったショーンと派手に殴り合った。
ポスト“レッスルマニア”路線の第1弾、4.28PPV“イン・ユア・ハウス7”のメインイベントはショーンとディーゼルの“最後のシングルマッチ”。WWEが3月5日付のプレス・リリースでディーゼルの退団を正式発表していたためか、ライブの観客のディーゼルに対する反応はどこか冷ややかだった。
翌2日、サンディエゴに移動しての“WWEスーパースターズ”TVテーピングではショーンはハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)、123キッド(ショーン・ウォルトマン)のふたりを相手にWWE世界王座を連続防衛。ショーンとトリプルHとキッドの3人はクリック=派閥の仲間だったが、リングの上ではショーンだけがベビーフェースで、トリプルHとキッドがヒールというレイアウトになっていた。
連続ドラマの新シーズンがスタートした4.1“ロウ”では“デスマッチ王”カクタタス・ジャック(ミック・フォーリー)が怪奇派の新キャラクター、マンカインドとしてWWEデビュー。ボブ・ホーリー、アルドー・モントーヤ(のちのジャスティン・クレディブル)を相手にTVマッチをタメ撮りした。
“レッスルマニア12”で古巣復帰を果たしたばかりのアルティメット・ウォリアーは、ポスト“レッスルマニア”新路線にも継続出場。2日間のTVテーピングでは新ライバル、“性倒錯”ゴールダストとの因縁ドラマのプロローグを演じた。ウォリアーのキャラクターは基本的には子ども向けのスーパーヒーローだから、そのライバルはわかりやすい怪奇派ヒールということになるのだろう。
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