ボーイズの友情:衝撃の“カーテンコール事件”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第226回(1996年編)
メイン終了後のショーンとディーゼルの不思議な動きは、まぎれもなく“確信犯”的なアクションだった。
連続ドラマのストーリー展開上はショーンとラモンがベビーフェースで、ディーゼルとトリプルHがヒールのはずだったが、4人の仲よしグループによるプログラムに記載されていないカーテンコールはそういった現在進行形のストーリーラインを完全に無視したものだった。これに怒り狂ったビンスは翌朝、ショーンとトリプルHの滞在先のホテルでふたりに対して厳しい“事情聴取”をおこなった。
WWEはこの2日まえの5月17日からガーデン定期戦まで3日間で4大会のハウスショー・ツアーを開催。5.17ボルティモア、5.18フィラデルフィア(昼)、5.18ハーシー(夜)、5.19ガーデン定期戦の4興行で3万8450人の観衆を動員し、合計66万4192ドルの興行収益(これ以外に25万ドル超のグッズ売り上げ)をはじき出した。
PPVイベントではないハウスショーとしては記録的な数字だった。プロレスファンがTVショーのコンテンツ以上のコンテンツを知りたがるようになったのはこのころからだった。インターネットの時代はもうすぐそこまで来ていた。
ディーゼル=ナッシュとラモン=ホールは翌6月から正式にWCWへ移籍。ビンスの意向とはうらはらに“残る者”と“去る者”は変わらぬ友情を確認し合ったのだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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