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ボーイズの友情:衝撃の“カーテンコール事件”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第226回(1996年編)

カーテンコール

ショーンとトリプルHのWWE残留、ナッシュとホールのWCW移籍で“交渉グループ”クリックは解散。MSG定期戦のリングで自分たちだけのカーテンコールで変わらぬ友情を確かめ合った(写真はクリックとこの事件のあらましを描いたノンフィクション小説『カーテンコール』ダン・ライカート著の表紙から)

 フィナーレは思いっきりハートフルに、オネスト(正直)に――。WWEスーパースターズがビンス・マクマホンの意向を無視してリング上を支配した不思議な夜だった(1996年5月19日=ニューヨーク、マディソン・スクウェア・ガーデン)。

 ディーゼル(ケビン・ナッシュ)とレーザー・ラモン(スコット・ホール)がこの日を最後にWWEを退団。ふたりの親友、ショーン・マイケルズとハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)がガーデンのリングでちょっぴりセンチメンタルでプライベート・テイストな“お別れパーティー”をプロデュースした。

 5.19MSG定期戦のメインイベントはショーン対ディーゼルのWWE世界ヘビー級選手権“最終章”だった。この3週間まえに開催された4.28PPV“イン・ユア・ハウス7”オマハ大会で同タイトルマッチをおこなった両者は、この日はケージ・マッチ(エスケープ方式)で再戦。ニューヨーク・ニューヨークで最後のシングルマッチを披露した。

 やはり、ニューヨーカーは情報を持っていた。WWEサイドからはそういった公式発表はなにもなかったにもかかわらず、ガーデンにつめかけた1万8800人の大観衆はこの日の定期戦がディーゼルとラモンのWWEにおけるファイナル・マッチだということをちゃんと知っていた。

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ケージ・マッチは30分強の耐久戦の末…

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