更新日:2017年11月08日 13:39
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大手メディアが伝えていない「荒れる少年の貧困」――ヤクザの取り立てに怯え、盗んだバイクで走り回る…

ヤクザの怒号が響き渡ったある夜

 良太さんが祖母に引き取られたのは、2歳になる頃だった。離婚した両親の顔は覚えておらず、親権を持つ母親は「病気で入院している」と聞かされ、祖母が受給する最低額に近い生活保護費と児童手当の月十数万円のみで育った。 「でも基本、婆ちゃんが3食作ってくれたし、腹をすかせた記憶はないです。みんなが持ってるDSをねだったときも内職して買ってくれた。でも、中学に上がる頃かな? 晩飯が卵かけご飯だけとかカップラーメンが増えたのは」  その理由となった出来事がある。深夜、ドアが乱暴に叩かれた。「良太は寝てなさい!」と祖母に諭され、布団に包まると、母親の名を叫ぶ男の怒声がした。 「実は母親、ヤク中で薬物更生施設にいたんですよ。でも、退院したタイミングにツケで覚醒剤を買ったらしくて、ヤクザの取り立てでした。結局、婆ちゃんが内職で貯めたカネは残らなかった」
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カネが欲しくて盗んだバイクのパーツを売ったり…
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