AOWの試作品“ショットガン・サタデーナイト”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第238回(1997年編)
“ショットガン・サタデーナイト”の番組コンセプトはオトナの観客を対象とした“酒場プロレス”だったが、それほど広くないナイトクラブに特設リングを設営してのTVマッチは、テレビの画面のなかではインディー団体の場末のハウスショーのような映像になった。これはさすがのビンスにとっても計算外のシチュエーションだった。
月曜夜のプライムタイム番組“マンデーナイト・ロウ”との差異化のため“ショットガン・サタデーナイト”にはWWE世界ヘビー級王者サイコ・セッド、ショーン・マイケルズ、“ヒットマン”ブレット・ハート、アンダーテイカーらトップグループは出場させず、ゴールダスト&マレーネの夫婦コンビ、ディーゼル(グレン・ジェイコブス=のちのケイン)&レーザー・ラモン(リック・ボーグナー)の“二代目コンビ”、ミゼット版のミニ・ベイダーらが土曜の夜の“酒場プロレス”のおもな登場人物となった。
“ショットガン・サタデーナイト”はあくまでもAOW路線の試作品で、同番組内で試験的にプロデュースされた商品コンセプトのうち、観客の反応のよかったものは“マンデーナイト・ロウ”に昇格し、そうでなかったものは短期間で削除されていった。
TVマッチの実況アナウンサーというポジションだったビンスがいよいよ“マンデーナイト・ロウ”の連続ドラマの登場人物に変身するのも1997年の大きな展開のひとつだった。ふたりのスーパースター、ショーンとブレットはいずれもヒール路線を強く希望していた。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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