漫画研究会に舞い降りた天使?悪魔? 次々と男を乗り換える女【サークルクラッシュ事件ファイル③】
7月14日(日)「ある男の家にて」
ここは八代(やしろ)という男の家。八代は里奈に対して「女として見ていない」ということを表明していた。それを聞いた里奈は八代に対して「好かれないように配慮する」というようなことをせず、家にあがり込むということも気兼ねなくやっていた。
三連休の中日のその日、若松は家族と旅行に行っていた。里奈は八代に対して若松の愚痴を言い続ける。
「若松さんって何も自分で決めないんですよ!私が『どこか行きたいとこある?』って聞いたら、『里奈の行きたいところでいいよ』ってさあ! それが面倒だから言ってるんでしょっていう――」
「それで、そのときも、結局『したい』って言ってきてさ。私のこと都合良くセックスしてくれる女としか見てないの! 最初は『君のセンスが好きだ』とか言ってたクセにさ。最近、私の絵のこと全然見てないし、若松も絵描いてないし。結局性欲なんですよ!性欲!あームカつく――」
八代は里奈の話をただ「うんうん」と聞き続けるだけだった。
恋愛経験の乏しかった若松は、里奈と付き合えたことで舞い上がってしまい、その立場にあぐらをかいてしまっていた。元々は若松も里奈を同じ絵を描く仲間として見ていたにもかかわらず、付き合うことで里奈を「女」として見るようになってしまったのだ。自分の感情ばかりが突っ走ってしまい、里奈の気持ちが離れていることにも気づけなかった。そして。
7月30日(火)「LINE上にて」
里奈:別れたい
若松:え
若松:もう一度会って話そう
里奈:いい
里奈:もう決めたから
里奈:話しても変わらない
わずか一ヶ月程度のことだった。里奈は若松とすっぱり別れることを決めたのだが、若松はそのときになって焦り始めた。若松は里奈に対して何度もLINEで連絡し、嫌気が差した里奈は若松のLINEをブロックした。その後若松は、里奈のpixivのアカウントにもコメントしてきた。若松の行動はもはやストーカーの域に達していた。若松の行動に嫌気が差した里奈ははっきりと「迷惑なんで連絡してこないでください。部室で会ってもなれなれしくしないでください」と告げたのだった。
若松が部室で里奈を見ると、「自分は里奈と別れたのだ」という事実を突きつけられる。里奈が他の男と普通に話しているのを見るだけでも苦痛だった。夏休みになったこともあり、若松は苦悩した末、部室へと行かなくなっていった。
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