漫画研究会に舞い降りた天使?悪魔? 次々と男を乗り換える女【サークルクラッシュ事件ファイル③】
8月31日(土)「サークル旅行の旅先で」
夏休みということもあり、漫研の一部で旅行が行われていた。そこには寝坊して遅れ、後から追いつくことになった里奈もいた。
そして夜、まるで修学旅行のような雰囲気になり、「サークル内で好きな人いる?」などと普段しない話になっていった。
実は広橋という一年生の男は里奈のことが好きだった。それを里奈に告げるつもりはなかったのだが、里奈は無邪気にも広橋に「広橋、好きな人いるでしょ、誰なの? 教えてよー」と詰め寄った。「○○ちゃんじゃなくて?」と、消去法になっていき、バレるのは時間の問題だった。
他の漫研部員たちがいる場では事なきを得たが、他の部員達も寝始めた深夜になって、里奈はこっそりと広橋に問い詰めた。
「ねえ、結局誰なの?」
「いや、いやー。」
「教えてよ」
「あの、好きです」
「え?」
「里奈ちゃんのことが」
「え、嘘でしょ?」
「いや、本当に」
「あ、そうなんだ……ありがとう。でも、ごめんなさい」
こうして、人知れず広橋も振られていった。その頃、里奈は藤山という男に対して猛烈にアプローチしていた。藤山は特に里奈のことが好きなわけではなかったのだが、里奈からの強いアプローチに折れる形で、なし崩し的に里奈と付き合った。
そして、里奈は藤山に対してベッタリで、少し束縛的にもなっていた。一方で藤山は里奈に対して強い愛情があるわけでもなく、里奈よりも自分のしたいゲームを優先するようなタイプだった。里奈はそんな藤山に対して怒りを覚えたし、藤山も里奈に対して言い返し、ケンカになることが多かった。
11月5日(火)「大学の食堂で」
食堂、里奈は八代と共にいた。里奈は藤山とのことを「うんうん」と話を聞いてくれる八代に相談していたのだった。
「それで、この間も何も言わずに帰っちゃったんですよ! それで私、『帰るんだったら一声かけてよ』って言ったんですけど、『いつ帰るかなんて勝手でしょ』って言ってきて。あー、もう、どうしたらケンカとかしないですむんですかね――」
里奈はいつものようにマシンガントークで藤山とのことを愚痴っていた。八代はそれに対して、特にアドバイスするというわけでもなく、ただ「うんうん」と聞いていた。
そうして、結局里奈と藤山も2ヶ月程度で別れたのだった。その後も、里奈は恋愛を繰り返した。「チャラい」見た目の藤山に対して、クリスマス前になって里奈が付き合ったのは「草食系」で、どちらかと言えば漫研内では孤立ぎみの高本だった。しかし、やはりまた長くは続かなかった。そして、2013年度の大学の授業も終わるという時期のとき。
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