雑学

一人の女のために「人狼オフ会」が崩壊…なぜクラッシュを防げなかったのか【サークルクラッシュ事件ファイル②】

 一人の異性を巡る恋愛によって、集団の人間関係が悪化する現象を「サークルクラッシュ」という。誰もが「あ~いるいる、そういう女」と思い当たる、青春ドラマにはおなじみの設定だが、そんな「サークルクラッシュ」現象を大真面目に研究している同好会が京都大学に存在する。代表が「現代社会の病理」とまで主張する、この現象の背景と問題点とは何か? 短期集中連載、第3回。

サークルクラッシュ事件ファイル

サークルクラッシュ研究~第3回~


 前回は大学のオタクサークルにおけるクラッシュを取り上げた。そこでは、新入生の加奈子がクラッシャーとなり、新入生の男、高橋がクラッシャられてサークルを辞めた。先輩の男、佐竹はクラッシャられることを回避し、加奈子はサークルから追い出された。

 つまり、前回取り上げたオタクサークルでは「クラッシャーを排除すること」によってクラッシュを防ぐことができた。そして今回は「クラッシュが防げなかった事例」を紹介する。前回と今回を比較することで、「どういう集団はクラッシュを防げるのか、逆にどういう集団はクラッシュしてしまうのか」を示そう。

 なお、「クラッシュ」とは集団の崩壊だけを指すのではなく、「ある集団において、一人の人間を巡って複数人が恋愛する(片思いも含む)ことによって人間関係が悪化し、その集団の構成員が、その集団で以前のように過ごすことを困難に思ってしまう現象」と定義しておく。前回の事例では、居場所を失った被害者は加奈子と高橋の2人だけで済んだ。しかし、今回の事例はもっと規模が大きくなる。そういう意味で今回は「クラッシュが防げなかった事例」である。

 今回の事例も、筆者が取材・体験してきたサークルクラッシュの事例のいくつかを組み合わせ、分かりやすく再構成したものである。

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【登場人物】前回のクラッシャー・加奈子、加奈子の彼氏・仲元、オフ会参加者の男4人(小田嶋、足立、村口、飯田)

 サークルから追い出された加奈子は、Twitterでこっそりとアカウントを転生していた。大学の人間には気づかれないところでフォロー/フォロワーを増やしていた。

 仲元とはまだ付き合っていたが、加奈子は物足りなさや不満を感じていた。ある日、オタクサークル時代に少しハマった「人狼ゲーム」※のオフ会がTwitterにあるのを発見する。加奈子は新たな居場所を求めて、人狼ゲームのオフ会に参加することにした。

※人狼ゲームとは、村人サイドと人狼サイドに分かれて戦うゲームのこと。村人の中に紛れ込んでいる人狼を見抜き処刑すれば村人サイドの勝ち、村人が食い殺され尽くすと人狼サイドの勝ち。

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2013年1月20日(日)

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