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自衛隊が貧乏すぎる…制服が予算不足で足らない、給料・退職金カットも

自衛隊の貧乏な日常生活「制服がない!」02 ある自衛官Bさんが、米軍の艦艇に乗り込んで食堂で米軍と話をしていたときに東日本大震災の話になりました。米軍も多くの隊員が友達オペレーションで被災地に物資を運び、みんな長期間、東北のために支援をしてくれたことのお礼をいったところ、海兵隊ではそのあと隊員さんたちは長い休みをもらい、長期の支援活動に参加したということを褒章されたといいます。  自衛隊もあんなに頑張ったのだから、国から勲章をもらったのだろう?と米軍から聞かれました。  仕方なく自衛官Bさんは、「我々は東北が被災して大変な時だから、『君たちの給料もしばらく10%カットする』と国から言われ、退職金も値下がりしたんだよ」と説明したところ、何度説明しても米軍には「冗談だろう」と言われ、理解してもらえなかったそうです。 「もし、本当にそんなに大変な職務をはたした軍人に、国が給料をカットするなどの暴挙に出たら、普通は暴動が起こる。自衛隊はいつもどおり淡々と職務をこなしているのだから、それは俺をかつごうとしてんだろう? 騙されないぞ。はっはっは~~」と米軍の軍人は笑ったそうです。 「嘘であってほしいが、ほんとに本当なんだよ」と寒風の吹きすさぶ飛行甲板でBさんは、一緒に乾いた声で「はっはっは~~」と笑ったそうです。  こんなショボーンな話を一生懸命頑張っている人にさせたくないと思います。自衛官は、普通の公務員と違い幹部・准尉・曹で、一部を除き大部分が54歳~56歳で定年となります。そう、定年が早いのです。老後の不安を感じる軍人なんて寂しすぎるじゃないですか。本来は退職金を増やしてあげるべきだと思います。  一生懸命泥にまみれ、休みなく東北で働いた結果が、老後がさらに心配になる退職金カット、給料カットと、制服でさえ交換できない毎日なんて辛すぎます。私たちも災害救難や軍事的脅威でいつ自衛官にお世話になるかわかりませんが、せめて一生懸命働いた人が報われる国であってほしいと思います。<文/小笠原理恵>
おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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