更新日:2022年08月21日 11:42
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2010年問題のその後を検証――製薬業界の一斉特許切れ、IPアドレス枯渇、アメリカ政府の標準暗号移行

’13年には米政府の盗聴も発覚。ネット社会の安全が問われる

…アメリカ政府の標準暗号移行/2010年問題その3 セキュリティ コンピュータの処理能力の向上や新たな攻撃手法の発見に伴い、従来の暗号アルゴリズムの安全性は相対的に低下する。そこで情報漏洩などを防ぐため、安全なレベルまで暗号の強度を引き上げる必要がある。’10年にアメリカ政府が実施した「標準暗号の移行」もその一例だ。情報セキュリティの第一人者である菅野哲氏に、当時の国内の状況を解説してもらった。 「アメリカ政府の表明を受け、日本政府は’13年までの移行を計画。多くの企業が対応しました。移行期間中、利用停止の対象となった旧世代暗号の使用も一定期間許容するなど、調整を図ったこともスムーズな移行の要因でしょう。さらに’13年の米国家安全保障局による盗聴発覚を機に、よりセキュリティを見直す機運が高まり、現在移行はほぼ完了しています」  とはいえ、これで安心ではない。 「暗号はいつか解読される代物。今後も同様の問題は起きるでしょう。一部には、アメリカ政府が決定した暗号アルゴリズム自体に懐疑的な人たちもいます」  セキュリティは守る側と破る側のいたちごっこ。自分の安全は人任せでは守れないのかもしれない。 ●結果 処理能力向上や新攻撃手法発見により今後も発生 【菅野 哲氏】 情報セキュリティ専門家。レピダム取締役。同社は、ココン社とともにサイバーセキュリティ事業を展開。国内外の暗号技術を中心に、安全性の向上に向けて精力的に活動する ― あの[20XX問題]はどうなったのか? ―
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