「2007年、団塊世代の一斉退職問題」はどうなった? 日本企業の技術継承と雇用の行方は…
「2000年問題」以降、毎年のように政治、経済、教育とあらゆる分野で、“20XX年問題”が取り沙汰される。しかし、直前にこそ大騒ぎするものの、喉元過ぎれば、そんなことなど忘れてしまうのが世の常。果たして、当時話題になったあの問題は何事もなく沈静化したのか? それともいまだに大問題であり続けているのか? 20XX年問題のその後をしつこく追ってみた!
…団塊世代の一斉退職/2007年問題
団塊世代が労働市場から姿を消す。そう騒がれたのが「’07年の団塊世代の一斉退職問題」だ。当時、労働力の減少や技術の断絶など、市場の多大な影響が心配された。だが、ふたを開けてみると……。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は、当時をこう分析する。
「結論から言えば、’07年の団塊世代の退職者数は予想の32万人に反し、17万人とはるかに下回りました。これは、定年後の再雇用に企業側がスムーズに対応したことが大きい。加えて、日本の人口が’06年を境に減少し始めて労働力不足が深刻化したことで、60歳以上の労働環境が整備されたんです」
社会の高齢化で、日本企業の技術継承と雇用の行方は……
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