更新日:2022年08月23日 15:41
エンタメ

「見た目は女でも、頭の中は男」カリスマ男の娘・大島薫から見える世界とは?

女を演じようとしたら、なぜか「男らしさ」も求められた

 とはいえ、生半可な女装で、ゲイではないノンケだらけのAV業界に参戦するのは、相当な覚悟が必要だった。肉体改造して胸を膨らませたニューハーフならいざしらず、ボクは“未改造”でそこに参入しようとしていたので、中途半端だと「結局、男は男だな」なんて言われてしまう。男物の服や下着を捨て、引っ越しをし、職場まで変えた。当時は必死で女性になりきろうとしていた。  しかし妙なことに、完璧な女性を演じようと思ったのに、女装男子として魅力的で意味のある存在なのは、むしろ、ちょっと男っぽさの残る女装のほうだとわかった。女の子に見えるために努力してきたはずなのに、なぜか「男らしさ」も求められる……。なんとも不思議。  さらに女装をしたまま日常をおくっていると、男性の姿のときには見えてこなかった世界を見る機会が増えた。  女性だらけの場所でしか見せない女性の姿や、男性が女性にだけ見せる言葉。  ボクの頭の中にあった女性と実際の女性は違っていて、女性の目線から見る男性もいままでボクが知っていた男性と違うことに気づいた。そういうものに触れていると、女性を演じようと思ったボクからすると、「男らしさ」や「女らしさ」と言えるものは、実際には存在しないような気がして、しばらく袋小路をさまよったり……。  というわけで、これからはこちらのコラムで、そんな生活の一端で気付いたことや、世の中の出来事から感じたことを書いていこうかと。皆様の知らない新たな世界の見方を提供できることを願いつつ、第1回目はこのへんで。 【大島薫】 作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru
1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
1
2
大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと

女の子にしか見えなくても100%男の子な大島薫が書き下ろした、オトコの身体を極める性の教科書

おすすめ記事