ステファニーはいきなりスーパースター ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第316回(1999年編)
プロレスファン――いまでいうところのWWEユニバース――はステファニーの恋愛ドラマをプロレスのなかのワンシーンとして受け入れ、そのストーリーを楽しんだ。
ステファニーが純白のウエディングドレスに身を包んでの“結婚式の巻”では、トリプルHがステファニーを拉致監禁。花嫁が睡眠薬で眠っているあいだに、トリプルHはラスベガスのあやしい“ドライブ・イン教会”で勝手に婚姻届けを出してしまった。
トリプルHとステファニーの結婚はこの時点ではもちろん荒唐無稽なフィクションだったが、このフォクションは数年後に現実となった。
9月の番組改編期にともない、WWEはこれまで“Bショー”として毎週土曜夜(FOX-TV)にオンエアしていた“ショットガン”と“スペルアストロス”(スペイン語)をそれぞれ新番組“メタル”と“ジャックト”に模様替え。
8.24カンザスシティー(8月26日オンエア分)のTVテーピングからは毎週木曜夜オンエアの新番組として“スマックダウン”(UPN=地上波)の制作がスタートした。
WWEは月曜夜のプライムタイム・ショー“ロウ・イズ・ウォー”(USAネットワーク)、日曜夜のトーク番組“サンデーナイト・ヒート”(同)、木曜の“スマックダウン”にシンディケーション・プログラム(番組販売)の“ライブワイヤー”“スーパースターズ”“メタル”“ジャックト”を加えた合計7番組を毎週、プロデュースしていた。
新番組“スマックダウン”は当初、登場人物が女性キャラクターだけのDIVAショーになる計画だったが、最終的には“赤のロウ”と“青のスマックダウン”という、現在の2リーグ制のモチーフといっていい番組コンセプトに落ち着いた。
ステファニーは12.12PPV“アルマゲドン”のメインイベント、ビンス対トリプルHの因縁マッチに乱入し、父親を裏切ってトリプルHと緊急合体。アテテュードAttitude時代の“エグゼクティブ・ヒール”としての道を歩みはじめたのだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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