“金メダル男”カート・アングルはプロレスも天才――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第322回(2000年編)
アスリートとしてのアングルのモットーは“3つのi”。インテンシティintensity(厳しさ、激しさ)とインテグリティintegrity(正直さ、誠実さ)とインテリジェンスinteligence(知性、知能)。
キメの台詞は“イッツ・トゥルー,イッツ・トゥルーIt’s true,It’s true(ホントにホント)”。みずからに厳しく、誠実で、知性あふれる元オリンピック代表選手は、みんなから愛される正統派のスーパースターをめざすのかと思ったらどうやらそうではなくて、連続ドラマの登場人物になったアングルはとんでもなくゴーマンで鼻持ちならない“金メダル野郎”だった。
レスリング・スタイルは、アマレス式のスープレックスのバリエーションにプロレス式のパンチ、エルボー、ストンピングなどをミックスした形で、必殺技はオリジナルのオリンピック・スラム(のちにアングル・スラムと改称)とアンクルホールド。
コスチュームは赤、白、青の星条旗カラーを基調にアマレスのシングレットをプロ仕様にアレンジしたもので、衣装の一部としてホントのホントの金メダルを2本、首からぶら下げていた。1本は1995年の世界選手権大会に優勝したときの金メダルで、もう1本はアトランタ五輪の金メダルだった。
ヨーロピアン王座、インターコンチネンタル王座をたてつづけに獲得し、“キング・オブ・ザ・リング”トーナメントに優勝(2000年6月25日、マサチューセッツ州ボストン)。10.22PPV“ノー・マーシー”ではロックを下してWWE世界ヘビー級王者を獲得した。メジャー・デビューからわずか1年でアングルはこれだけの業績をすべてなしとげた。
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