鳥は恐竜だ! 日本で初めて「恐竜の博士号」を取得した男が語る“恐竜研究の常識”今と昔
――でも恐竜って爬虫類でしたよね。
小林:ええ、だから本当は分類上、“鳥は爬虫類”なんですよ。理科の教科書も変えないといけないんですが、急に変えると入試や教育現場が混乱してしまうので、ちょっとずつ注記を加えているみたいです。
――へえ、知りませんでした! 小林さんは、翼の起源が飛ぶためではなく繁殖のためだったのではないか、という説も発表されていますね。
小林:翼を持つもっとも原始的な恐竜オルニトミムスを見ると、羽毛は子供の頃からあるのに、翼は大人にしか生えてない。つまり翼は、飛ぶためではなく、クジャクのように求愛の道具だった可能性が高いんです。
――アピールの役割のほうが先立ったなんて、おもしろいですね。
小林:ということは、10~20代の若いコが、大人から見ると理解できないオシャレをするのも繁殖行動だと思えば納得できる。年を取るとオシャレに興味を失うのも、繁殖能力が下がってくるから仕方ないんです。そう考えると、若者を温かく見守ってあげたくなりませんか?
※このインタビューは4/18発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです
【小林快次】
’71年、福井県生まれ。北海道大学准教授。日本人で初めて恐竜の博士号を取得。現在モンゴルやアラスカでフィールド調査を行っており、実績は世界の研究者から認められている。恐竜から鳥への進化過程や、恐竜を含む爬虫類の子育ての進化を研究している
取材・文/福田フクスケ 撮影/スギゾー
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