中国人観光客が激減の韓国、 売上減で自殺者も。次第に高まる反中感情<中国・韓国大ゲンカレポート>
今回の中国政府の措置に反対する、韓国自営業連帯「報復中止デモ」の広報担当者は言う。
「東大門の中小企業の打撃が大きい。ただ中国の加工業者も、韓国製の素材を必要としている。事態はいつかは打開するのでは」
こうした楽観論もあるようだが、さらに深刻なエリアもあった。クルーズ船の「下船拒否」騒動で注目を集めた済州島だ。
3月16日、3400人の中国人観光客を乗せたクルーズ船が済州島に入港するも、一部乗客がTHAAD配備に抗議するため、船を下りるべきではないと主張。結果、全員がこれに従った。港では80台以上の観光バスと数十人のガイドがスタンバイしていた。
ともあれ、これまで韓国有数のこのリゾート地には、中国人観光客が大挙して押し寄せていた。
「3月1~12日の期間だけで中国人観光客は34%も減少した。このままいけば今年は大幅な減少になるでしょう。下船拒否騒動以降、すでに150便以上のクルーズ船入港がキャンセルになり、地元の飲食・小売り業界は大打撃を被っています。このままいけば、島の2つある港のうち、1つを閉鎖せざるを得ません」(済州島の自治体職員)
韓国観光公社によると、’16年に韓国を訪れた中国人は約806万人で、一人あたりの平均消費額は約26万5000円だという。台湾中央通信(3月3日付)によれば、今年の訪韓中国人は前年より半減すると伝えている。この悪夢が現実となれば、韓国の免税店市場だけで約4150億円、観光産業全体でおよそ1兆円の損失にもなると試算している。ただでさえ経済の先行きが不透明な韓国で、この数字が与えるインパクトはかなり大きいだろう。
中国の容赦ない措置に対して反中感情も高まっている。『朝鮮日報』(3月7日付)によれば、青島ビール、シャオミ製のスマホ、TCL、ハイアール製の家電など中国製品の不買運動が起きているという。SNSなどでは、「私たちもチャイナタウンを強制撤去し、中国への投資を回収・渡航禁止など対策を講じましょう」「韓国内政に干渉するのか」「北朝鮮には何も言えないくせに」という嫌中コメントが見られる。
韓国メディアの記者は「一部のタクシーでは、『中国人お断り』と書かれたプレートをバンパーに貼る動きも出てきている」と言うが、実は韓国人のなかで長年、溜まっていた鬱憤が噴出したという見方もある。
「街中では大勢で大声で話す。所構わず喫煙する。ゴミを路上に捨てる……ここ数年、みんな中国人観光客のマナーの悪さに辟易としていた。さらに済州島では不動産を爆買いして“植民地”になりつつあった。お金を落としている間は我慢していたが、それがないなら、もう自由に『嫌だ』と公言し始めたのです」(前出の記者)
近年では中国人観光客による空港での放置ゴミ問題や、酒場での集団暴行事件(8人による暴行で、韓国人2人が重傷になった)もあり、中国人観光客への批判は高まっていたという。
今回、ソウル市内の朝鮮族を中心とした中国人が多く住む大林洞というエリアでも取材を行ったが、一帯の中華料理店はどこも客が減ったと嘆いていた。
「韓国人の酔客が『なぜ報復するのか』とケンカを吹っかけてきた。大林洞が悪化した韓中関係の象徴になってしまうのが怖い。暴力事件が起きないのを祈るばかり」(中華料理店オーナー)
対岸の火事だと眺めていてもいいのか、火の粉が日本にも降りかかるか……いずれにせよ揉め事は早く解決してもらいたいものだ。
取材・文・撮影/児玉ジン 池松信ニ 奥窪優木
― 反韓中国と反中韓国 ―
不買運動に乗車拒否、反中感情も高まる!
―[反韓中国と反中韓国]―
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