同じ飲食チェーン店でも、店舗で味のバラつきがある理由
そんななか、味が最も安定するのがセントラルキッチン方式のチェーンだ。
「1か所で調理して出荷、各店舗ではレンジでチンなど簡単な工程のみ行う方式で、サイゼリヤがその一例です。各店舗での作業が同じで、当然味のバラつきも少なくなります」(平野氏)
同じ食品を扱っていても、その方式によって味に違いが出る。
「うどんチェーンでも、店内で製麺する『丸亀製麺』の場合は、職人の腕や気候によって、味の違いが出ることもありますが、自社工場で製麺して店舗に配送する『はなまるうどん』は、どこで食べても違いが出にくいです」(うどん好きライター井上こん氏)
最近では各社のマニュアル化が進んでいるが、それを徹底できるかも店舗ごとの味を決める。
「店の前を常に清潔にしているか、客の呼び込みを定期的に行っているのか。当たり前に思えることですが、マニュアルを日々徹底できている店舗は、味のバラつきも少ない可能性が高いといえます」(平野氏)
業界全体のマニュアル化と味の均一化が進む中で、味のバラつきを楽しむ人もいる。グルメライターの下関マグロ氏は、『餃子の王将』は好みの店舗や店員を見つけて通うのがオススメだという。
「調理スペースが外から見えるので、好きな店員の時だけ入店するんです。個人的には下北沢店と中野店はおいしいと思いますよ」
味の違いを難点と考えずに、好きな店舗や店員を見つけるのも楽しいかもしれない。
【平野和之氏】
経済評論家。飲食業界の事情に詳しく市場調査の分析やメディアでの経済評論を行っている。著書に『図解 経済入門 基本と常識』(西東社)がある
【井上こん氏】
うどん好きライター。多いときは一日10食のうどんを食べ歩き、ブログ「うどん手帖」を運営する。CBCテレビ『花咲かタイムズ』ではうどんの達人として出演
【下関マグロ氏】
グルメライター。’58年、山口県生まれ。フリーライター、町中華研究家。共著で出版した『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(立東舎)が話題に
取材・文・撮影/青山由佳 上野 智 加藤カジカ 高島昌俊 福田 悠 森 祐介 八木康晴(本誌) アンケート/エコンテ
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