更新日:2017年11月14日 22:24
仕事

【給料日前】カネがない時の6つの過ごし方

―[山田ゴメス]―
ベテランライターが原点回帰のドサまわり。独断と偏見で選んだ、巷をにぎわすニュースを猛追跡! 【記者・ゴメスが追う 第8回】 さまざまな視点でM1・F1層(25~34歳の男女)を分化し、リアルな姿を浮き彫りにする「M1・F1総研」が、M1層ビジネスマンのオサイフ事情について、いくつかの調査結果を発表した。それによると30代前半サラリーマンの4割近くが「ここ数年で年収が減ったと思う」なんて答えているという。 ◆フリーランスにはわからない、ちまたの平均年収感覚 お財布事情M1・F1総研によれば、M1ビジネスマンの平均年収は、20代前半で270万円、後半は404万円、30代前半が457万円なんだそうだ。だがこの数字、ゴメス記者には正直な話、いまいちピンとこない。20年近くフリーランスで仕事をしている人間としては、申し訳ないけど「高いよーな気もするし、安いよーな気もするし……」くらいのしょぼいコメントしかできないのである。 ただ、そんな僕でも比較的、「わかるわかる」となるのがコレ。 「給料日1週間前にお金がいくら以下になったら乗り切れないと思うか?」 はじき出された数字は、平均額にして6227円だという。(もう少し細かく分類すると、未婚者の平均額が7131円で、既婚者は4934円なんだとか。“大蔵省”から常に締めつけをくらっている既婚者のタフな一面をのぞかせる結果といえる) ギャラ振り込み日の1週間前に、サイフに万札がなくなったら、いよいよヤバめ……?と考える僕と、感性としては大差ないのではなかろうか。 ところが、そのピンチの乗り切り方がイマドキのM1ビジネスマンの皆さんは、まことにもって堅実なのだ。 たとえば、「飲みに行く回数を減らす」(92.6%)、「タバコをやめる」(82.6%)はまだわかるとして、 「弁当をつくる」が、なんと65.6%! さらに、親や友人や消費者金融からなどの借り入れやキャッシングに走る人は、「親から」(20.3%)を除き、どれも10%前後しかいないのである。 我々アラフォー世代(正確には私はすでにアラフィフ世代だが)のなかには、 「今の若いモンは借金する度胸もないんかい!」 なんて、M1世代の“こぢんまりまとまっちゃった感”を嘆く者もいるかもしれない。でも一方、バブル時代を経験していない世代特有の“分相応な生き方”は、成熟したヨーロッパ型の生活感覚を自然と身につけている証、という見方もできる。 どっちが正しいかは現時点ではわからない。 あくまで、そう前提したうえで、ゴメス記者が拾ってきた“我々世代の給料日1週間前のピンチの乗り切り方”を、ここでちょっとだけ聞いてもらいたい。 (1)パチンコに近々未来を託す サイフの中身が7000円しかないなら、半分の3500円をパチンコに突っ込む。それでダメなら、そのときに考える。半分を残すあたりは一見手堅そうにも思えるが、結局はアツくなってしまって全額を突っ込んでしまうことも。あと、3500円でパチンコに勝てる確率は相当低く、しかも博打というのは、所持金に余裕がないときほど、不思議と勝てないものなのだ。 (2)あえて飲み会を開く これはどういうことかと言えば、その飲み会の全額をクレジットカードで支払って、参加者から現金を回収する手段である。たとえば、4人で飲み会費用総額が2万円だったとして、5000円ずつ3人から回収して1万5000円の現金をゲットする。借金するよりは後ろめたさが薄いという利点はあるが、当たり前だが、2ヵ月後くらいに莫大な請求額が届くことになる。 (3)打ち合わせの時間を夕飯時に設定する メシ代が経費で落とせる相手を厳選し、その人と打ち合わせと称して、ついでに夕飯もたかってしまう。じつは“ついで”なのは打ち合わせのほう、という姑息な作戦。しかし今のご時世、打ち合わせメシが経費でポンポン落とせる会社など、滅多にない。ましてやキャバクラ代なんぞは夢の夢、といったところだ。 (4)スポーツに専念する お金のある時期に、野球・テニス・フットサル……ほか、一面のグラウンドやコート代を複数の人数で割ることができるスポーツにお金と労力を先行投資し、お金がない時期に集中参加する。一度道具を揃えてしまうと一人数百円の出費で済む。あと、スポーツで体を動かせば、少量のアルコールで酔うことができるし、すぐに眠たくなるから無駄金を使わない。ゴルフは打ちっ放しに行くにもコースに出るにもけっこうな出費がかさむので不可。 (5)得意料理を一つつくって、デートを自宅で済ます M1・F1総研の調査よると、オサイフピンチ時に「恋人とのデートを控える」M1ビジネスマンは52.9%にとどまったそうだが、やはり抑えられるなら抑えるにこしたことはない。そこで、女子が思わずソソってしまう得意料理をエサに、自宅でしっぽりデートするのもアリではないか。オススメなのは鍋。夏でも鍋! 特殊技術を要せず費用も安くすむ、さらに美容やダイエットにも良さそうなのもポイント。よほど嫌われてなければ、おおむね食いつきは良い(と思われる)。たとえばチゲ鍋だとお酒込みで3000円程度で充分。しかも、残った食材を、のちの自炊にも回すことができる。 (6)下を向いて歩く お金が落ちていないか、ひたすら地面をサーチしながら注意深く歩く、という見事に後ろ向きな錬金術。ちなみに僕は実際に、いよいよサイフの残額が小銭しかなくなったという大ピンチ時に自販機の釣り銭口で870円をゲットして九死に一生を得た経験がある。 以上を参考にせよ、という主旨の記事ではない。むしろ積極的に参考にすべきではないものさえある。 ただ、人間とは、目の当たりにしたピンチが切実であればあるほど、頭が高速回転して、とんでもないことを思いつく生き物なのだ。 【山田ゴメス】 1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)(http://www.ntv.co.jp/99answer/)に“クセ者相談員”として出演。『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中! <取材・文・/山田ゴメス 撮影/日刊SPA!編集部>
大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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