その後、山本氏は由比ヶ浜（神奈川）や九十九里浜（千葉）、伊豆白浜海水浴場（静岡）、ANAインターコンチネンタルホテルのナイトプールなどさまざまな場所にナンパに出かけたというが、各地で半数以上の女性が写真をAirDrop経由で送るように指示されたという。 「なぜエアドロップでの写真交換を望むのか、調べてみたところ3つの理由があることがわかりました。 1つは、見知らぬ男性にLINEを教えずに済むから。LINEを交換してから男をブロックすればいいじゃんというのはオッサンの考え。彼女たちはそもそもLINEを交換する行為自体が面倒くさいみたいなんですよね。 2つ目は、通信料がかからなくて済むから。20代女性の大半が毎月末になると通信制限に苦しみます。今や、写真や動画の送受信で彼女たちの通信料は想像できないほどの量。AirDropならば通信料を気にせずデータを送りあえるので経済的なのです。 3つ目は、写真のチョイスをしなくて済むから。2つ目の理由とも関連しますが、通信料を気にしている時は、送信する写真の選定をする必要があります。しかし、それは面倒。AirDropなら、通信料を気にしなくて済むので『とりあえず全部送って、あとは自分で気に入った写真だけ残す』という行動が取れるのです」 　つまり、20代の女性たちにとって、LINEのアルバム機能よりも、AirDropでの写真交換のほうがメリットがあまりにも大きいのだ。 「LINEのアルバム機能を使うと、夏はどんどんグループ数が増えていきます。遊んだ日の数だけ、LINEグループができる。しかし、もう二度と起動しないLINEグループを増やすのは、彼女たちにとって煩わしいのです」 　AirDropによる写真の交換がスタンダードになりつつある今、おっさんは20代女性とLINE交換できないのだろうか。 　だが、山本氏曰く作戦がないわけではないという。 「結局、ある程度仲良くなれば女のコのLINEをゲットできることは間違いありません。写真を撮ってあげて、すぐにLINEを聞くという今までのルーティーンを、写真を撮ってあげたあとに軽く雑談して、信頼感を獲得してからLINE交換を提案すればいいんですよ」 　その口実とは？ 「最近は、ネットで拾ったキレイに撮られた素人の女のコの写真をカメラロールに入れておいて、自分の趣味がカメラなことを伝えます。それで、『写真好き？一眼レフじゃなきゃ撮れない写真もあるから、今度はこういう写真も撮ってあげるよ。連絡先教えて』と伝えればLINEを教えてくれますね。もちろん、実際は一眼レフなんて持ってないんですけど、そこは女のコだって口実だってわかってるでしょう（笑）」 　若者のスマホの使い方は、ネット上でしばしばおっさんたちから高い注目を集める。本記事が配信されたころには、また新たなスマホの使い方が若者の間で芽生えているかもしれない。＜取材・文／牧野俊＞