25歳・年収1100万円の“転売屋”が語る苦労話「労働時間はチェーンの居酒屋よりブラック」
大人気ゲーム機ニンテンドースイッチの品薄が止まらない。大手家電量販店の抽選販売では100台の入荷に対して2000人もの人が列をなし、先着順で販売のゲームショップでは、翌日のオープンを待つために閉店直後に寝袋を持ち込んで並ぶ人までいる有様だ。
ゲーム機に限らず、apple製のイヤホンである「airpods」やプラモデルの「ガンダムメタルビルドシリーズ」もまた、過去に同様の状況だった。
このような人気商品は、なぜその商品を欲する人すべてに行き渡らないのか。
まず考えられるのは、商品の需要を見誤ったり、生産に時間がかかるものであったりなどの理由で、需要に対して供給が不足していることだ。しかし、その他にも品薄の原因を生み出しているものがある。
それが、いわゆる「転売屋」と呼ばれる人たちだ。彼らは品薄の商品を買い占め、オークションサイトやフリマアプリでそれを売りさばき、利益をあげている。
おそらく、世間的な転売のイメージは「商品を買い占めてそれを売り、仕事もせずにラクに暮らしている人たち」かもしれない。
だが、転売屋には転売屋の苦労がある。本記事では、2年前に勤めていた会社を辞め、現在は人気商品の転売のみで生計を立てている、プロ転売屋の酒井佑一郎氏(25歳・仮名・転売の年収1100万円)に知られざる転売屋の苦難を語ってもらった。
「仕事の内容はシンプル。品薄の商品をロックオンしたら、あとはそれをどれだけ買えるかです。列に並びながらノートパソコンで通販サイトをチェックするのは日常茶飯事。ニンテンドースイッチみたいに特にオイシイ商品が出てくると、朝から晩まで繁華街で買いまわります。家に帰ってからオークションの出品や発送作業などをやるので、忙しいときは一日3時間くらいしか寝られないこともザラです。現在の年収は1100万くらいありますが、労働時間だけで言えばチェーンの居酒屋店員よりブラックかもしれません」
そんな酒井氏が抱えている苦悩とは…?
「一番ツラいのは、結婚できないことですよね。こんな稼業だから職場での出会いなんてあるわけないし、同窓会なんかも恥ずかしくて行けない。ちょっといい感じになっても、レア物の販売情報が入ったらそっちを優先しちゃうから、すぐダメになる。元カノの誕生日に10万円儲かるスニーカーの再販が入っちゃって、泣く泣く食事をキャンセルしたら、それで大ゲンカして別れました」
年収1100万円の転売屋の日常とは
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