止められない北朝鮮のミサイル発射…国防は永世中立国スイスの核武装論に学べ【長尾一紘】
<文/中央大学名誉教授 長尾一紘>
北朝鮮が9月15日朝、また日本上空を通過する弾道ミサイルを発射しました。ミサイルは襟裳岬の東約2000キロに着水したとのことです。3日に強行した6回目の核実験に対して、国連安全保障理事会が制裁決議を採択しましたが、それへの反発のようです。
核実験を強行した時に、日本はもちろん中国も抗議をし、米国もレッドラインを越えるとか越えないとか騒いでいましたが、金正恩は、まだまだレッドラインまでには余裕があると思っているのでしょう。
日本人は戦後、米国や国連が平和を守ってくれると期待してきましたが、北朝鮮一国すら止められないというのが、現状のようです。
拙著『世界一非常識な日本国憲法』でも書きましたが、「核」についての日本人の反応には異常なものがあります。その理由について、しばしば「唯一の被爆国だから」と説明されます。
はたしてそうでしょうか。仮に日本以外の国が、たとえばスイスが被爆国であったとしましょう。スイス人は、「我々は二度と被爆国にはなりたくない。したがって、『核』を保有するのだ」と言うに違いありません。
戦後、護憲派憲法学者の多くは、「非武装中立」を主張し、そうすれば他国に侵略されることはありえないと述べてきました。そして、「日本を東洋のスイスに」と主張してきました。
しかし、永世中立国であるスイスの国民がこれを聞いたら驚いて目を回すに違いありません。国民皆兵のスイスは、強固な国防軍を保持し、全身ハリネズミのような完全武装が国是とされています。だから、第二次世界大戦で、ヒトラーはスイスへの侵攻を断念したのです。
北朝鮮の核実験は誰も止めてくれない
国防は永世中立国スイスに学べ
『世界一非常識な日本国憲法』 こんな非常識な憲法は日本だけ!「外国人参政権合憲説」を撤回した著者だから書けた、憲法の欺瞞を粉砕する一冊! |
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