秋になって肌寒くなってくると、レディーボーイたちの売春は、場所の広がりを見せ始めました。 　10月上旬、歌舞伎町内のまた別の“X”付近で出没を確認しました。 　11月下旬、同じく職安通り沿いの“X”前で、10月とはまた別のレディボーイに話を聞いてみたところ、興味深い話が。 　何でもこの彼（彼女？）、先週までは日暮里の“X”に宿泊していたとのこと。 　それにしても、どうして彼女たちは“X”を使うのか？　料金と立地を踏まえたうえで、彼女たちなりに他のホテルよりもスタッフの目が緩いと判断しているのかもしれません。 　いずせにせよ、歌舞伎町だけではなく、日暮里にも出没――。こうなってくると、さらに他の地域での活動も十分考えられます。 　ではそもそも、なぜ今年、売春レディーボーイたちが大挙してやってきたのか？ 　東南アジアの売春事情に詳しい風俗ライターは、こう言います。 「2016年から、タイのレディーボーイによる出稼ぎ売春が活発化しています。まず彼らが向かったのが、シンガポールと香港。しかし、派手にやり過ぎたんでしょう、現地の入管に警戒されているそうです。レディーボーイたちから、『入国拒否された。シンガポールも香港も入れなかった』なんて声をよく聞きますから。そこで彼らは、新たな出稼ぎ先を探すことにした。で、日本に目をつけたようです」 　11月末時点、歌舞伎町には売春レディーボーイが出没しています。 　寒くなってきたことにより、数が減ってきて目立たなくなってきたせいか、歌舞伎町交番の警察官に意見をうかがっても、“X”のフロントスタッフに声をかけても、「把握していません」とのことでした。 　が、そのうちは行政なりホテル側によって、何かしらの対策がなされると思われます。 ＊＊＊＊＊＊ 【仙頭正教】 歌舞伎町ガイド人。立ちんぼスポットからボッタクリ客引き、心霊ビルまで、町の“怪しい”に精通。月2回、カブキの裏スポットを案内する『歌舞伎町観察ツアー』を開催中。ツイッター（＠sento1025） ※月刊『裏モノJAPAN』編集部・所属