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歌舞伎町の現役ホームレスが明かす極寒の夜の過ごし方「まず鬼殺しで身体を温める」

 仙頭正教です。アジア一の繁華街、新宿歌舞伎町のガイド人をやっています。  ガイドと言っても、私の場合、立ちんぼスポットからボッタクリ客引き、心霊ビルまで、町の“怪しい”スポットを紹介するのがメインです。  今年の都内の冬は、記録的な寒波襲来で、最低気温が0℃という日も珍しくありません。何かと防寒対策の話題が多いわけですが、そういう観点で夜の街を見たとき、やはり気になるのはホームレスです。歌舞伎町を抱える新宿は、路上生活者がとにかく多いですから。  暦の上では「立春」を迎えましたが、しかし変わらず冷え込んだ2月4日。知人の新宿の現役ホームレスMさん(男性51歳・仕事は日雇い)に、極寒の夜の過ごし方を聞いてみました。

19:00-23:00/とにかく“鬼殺し”を飲む

――2月の歌舞伎町は寒いですよね。 Mさん:自分はたまにネットカフェに泊まったりもするんですが、基本は外で寝ているんで、今年の冬はかなりキツイですね。19時~23時のこの時間帯は、新宿駅の地下道で、鬼殺しの100円パックを飲んでることが多いです。酒はやっぱり体が温まりますから。 ――鬼殺しでまず体を温める、と。 Mさん:でも先日、先輩のジイさんが、リュックに鬼殺しをいっぱい詰め、その重みでうしろにひっくり返り、頭を打って病院送りになったという悲劇もありました。あとで聞いたら、医者に「寒くても、あんまりいっぱい日本酒を持って歩かないように」と忠告されたようです。

23:00-04:00/仲間とくっつき合う“奴隷船スタイル”就寝

――寝るときはどうしてるんでしょうか。 Mさん:23時になると、新宿駅そばの某ビルの前に、自分を含めた12人のホームレス仲間で向かいます。ウチらはそこにみんなで一緒に寝るんです。“寝床”の作り方は、地べたにダンボールを敷きつめ、その上に新聞紙とブルーシートをかけ、周囲も背丈くらいのダンボールでぐるりと囲むんですが、一番のポイントはあえて狭く作ること。ギューギューの寿司詰めで仲間と互いに体がくっつき合うように、です。よくやるなぁと思われるかもしれませんが、この奴隷船スタイル、本当に暖かいですよ。
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早朝の冷え込みを“落とし物探し”で乗り切る
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