更新日:2022年11月25日 23:20
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新春特別企画 プロレス界の絶対王者×格闘技界の“王者製造機”スペシャル対談――小橋建太の青春おすそわけ#18<前田憲作vol.1>

小橋:前田さんはイケメンキックボクサーの走りですよね。いまはキックボクサーって、イケメンって言われてる人、多いでしょ。プロレス界も多いけど、キックボクシング界では前田さんが最初ですよ。 前田:昔はキックボクシングの選手って、怖い人が多かったんですよ。沢村忠さんとか藤原敏男さんとか。硬派なイメージが強かったと思います。僕は10代で格闘技の世界に入ったんですけど、道場に入門するのも怖かったです。 小橋:前田さんは最初、どこに入門したんですか? 前田:一番最初は、実はシュートボクシングなんです。シーザー武志さんのシーザージム。プロレスが好きだったので。 小橋:シュートボクシングから!? 空手だと思ってました。 前田:そこで知り合ったトレーナーのシンサック(・ムアスリン)のジムに移籍したんですよ。キックボクシングの世界って、当時は打倒・ムエタイだったんです。タイの先生に技を教えてもらいたくて、強くなりたい一心で、先生についていきました。立ち技最強と言われているムエタイを学びたい。それがキックボクシングで一番を取る近道だろうと思ったのがきっかけです。 小橋:それでムエタイのチャンピオンになったというのは、すごい。僕らが子供のころ、ムエタイは違うジャンルという感じでしたよね。両方を経験した前田さん、どうですか? ムエタイとキックボクシングは違うものですか? 前田:まったく違うものでしたね。ジャッジの見方も違うんですよね。日本だとKOが喜ばれるんですけど、タイだと賭けが入っているので、最終ラウンドまでもつれ込む勝負がすごく喜ばれるんです。もし1R、2Rで決着がついてしまうと、賭けにならないですから。 小橋:ラウンドが伸びていくごとにお金が賭かっていくんですね。 前田:キックボクシングはダメージ重視の競技だと思うんですけど、ムエタイはポイントの取り合いでもあるので、そこが違っていました。タイでやるときは、意識して判定でも勝てるように闘っていましたね。 小橋:それだけ向こうの選手は強かったんでしょうね。 前田:本当に層が厚くて、日本で言うと草野球くらいジムがあるんです。タイの人って、ジムに通っていなくても普通にキックできるんですよね。 小橋:タイには何年くらい行ったんですか? 前田:何年とかではないんですけど、3か月のビザを取ったりして、何回か行きました。 小橋:チャンピオンになったのは本当にすごい。 前田:私が獲ったのはベニー・ユキーデさんのアメリカのタイトルで、そのムエタイルールです。ユキーデさんはジャッキー・チェンの『スパルタンX』に出ていて、その映画を観て「欲しい」と思ったのがWKAのベルトだったんですよ。 小橋:前田さんは、思ったことを全部手に入れている。やっぱり思いが強くないと。僕もベルトが欲しいと思ってやってきたし、思いが強くないとやれないですよね。 前田:本当は、格闘家になりたいとか、そういう風には思っていなかったんです。チャンピオンになりたとも思っていなかった。ただ強くなりたいと思っていたんです。ジャッキー・チェンとかブルースリーとか、プロレスラーの方たちみたいに強くなりたいと思って、格闘技を始めました。体が大きかったら、間違いなくプロレスラーになっていたと思います。 【PROFILE】 ●前田憲作(まえだ・けんさく) ’68年5月9日、神奈川県座間市生まれ。1985年、シーザージム入門。シュートボクシングでプロデビュー。シンサック・ビクトリージムへ移籍し、高架下の空き地にサンドバッグを吊して練習する姿が話題に。’92年、キックボクシング日本フェザー級王座獲得。’94年、WKA世界ムエタイスーパーフェザー級王座獲得。’96年、映画『ろくでなしBLUES』主演。’99年、チームドラゴン結成。’02年、K-1 WORLD MAX 2002にて引退。’14年、K-1プロデューサー就任(’16年、退任)。現在はチームドラゴンジム会長として選手育成に励む。 ●小橋建太(こばし・けんた) (株)Fortune KK代表取締役。’67年3月27日、京都府福知山市生まれ。’87年6月、全日本プロレスに入団。“プロレス四天王”と呼ばれるレスラーの一人。2000年6月、プロレスリング・ノアに移籍。’03年3月、GHCヘビー級王座獲得。13度の防衛に成功し、“絶対王者”と呼ばれる。’06年6月、腎臓がんが発覚するが、2007年12月、奇跡のプロレス復帰を果たす。’13年5月11日、引退。現在はチャリティーや講演会など、幅広い活動を続けている。Twitter:@FortuneKK0327 構成/尾崎ムギ子 撮影/橋本一美
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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