お重には夢がいっぱい! 「お重駅弁」のゴージャスな中身とは?<第53回駅弁大会ルポ第3弾>
―[53回駅弁大会実食リポート]―
2週間に渡って開催されている“駅弁の甲子園”「第53回元祖有名駅弁とうまいもの大会」。初の週末を迎えて会場は大混雑の様相を呈していた。
会場で作られる実演駅弁は人気のあるものは数十分待ち、各地から製作済みのものが送られてくる「輸送駅弁ブース」は開店直後からお客さんが殺到し、7階の大催事場から4階の階段まで行列ができるほど。記者も開店直後にその列に並んだが、ブースに入るまで30分以上の忍耐を強いられた。
今回ご紹介したいのはその「輸送駅弁ブース」。通称”A-0”とよばれる200を超えるだろう”宝の山”から掘り出した逸品、「プレミアム焼肉弁当」と「SL大樹 日光埋蔵金弁当」である。ご覧の通り、両者はお重タイプのゴージャスな駅弁。駅弁の山のなかでもひときわ存在感があり、手に持ったときのズシリとした感触は格別なのだ。
まずは「プレミアム焼肉弁当」(1620円/山形県 奥羽本線 米沢駅)。絨毯のような赤地に某ビールを彷彿するような「PREMIUM」の金文字がドンと鎮座。「松川弁当店」の屋号は初日に紹介した「米沢牛 伝統の百年焼肉弁当」と同じ調整先。否が応にも期待は高まる。
掛け紙を外し、さっそくお重の蓋を取ると、現れましたのは「肉の部屋」。なんの装飾もない肉だが、ふわっと香る肉の脂の匂い。あきらかに良い肉の印である。添付の「お品書き」によると、赤身、サイコロ、カルビ、タン、西京焼味噌ダレカルビ、ハラミの6種が2枚ずつ。シンプルに肉の味を楽しめるようにと西京焼き風カルビ以外は塩・コショウのみの味付けにしてあるそう。肉の順番に写真入りで並べてあるお品書きを読むだけで、よだれが出てくる。
まずは焼肉の定番、タンからひとくち。コリッとした食感。冷えている肉ゆえどうかと思ったが、しっかりタンの味がする。
お次はサイコロ。奥歯で噛むと、肉の香りもさることながら、じゅわっと出てくる肉汁。おいおい、飯が必要じゃないか! 二の重には山形県産の白米。飯を口に放り込みつつ、備え付けのもやし人参ナムルで追いかける。
その後、赤身肉→カルビ→西京焼き風カルビ→ハラミで1巡目が終了。2巡目は逆から付属のおろしポン酢とステーキソースで味の変化を楽しもうと思ったが、やはり肉本来の味を味わいたく、そのままで食べてしまった。
山形名産の赤かぶの酢漬けと柴漬けもぬかりなし。肉肉しい口中をリフレッシュしてくれる。いささか高額ながら、お値段に見合った逸品。駅弁もここまで来たか、としばし感慨にふけってしまった。
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【第53回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】
1月10日(水)~23(火)
京王百貨店新宿店7階大催場
午前10時~午後8時 ※17(水)は午後5時、23(火)は午後6時閉場
https://www.keionet.com/info/shinjuku/ekiben2018/index.html
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