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金色のヌーなら1000万円以上!? まったく野性味のないアフリカのトロフィー・ハンティング事情

 この話は映画『サファリ』では描かれていない部分だが、「アフリカでのハンティング」という野性味あふれる言葉からは想像できないような世界がそこには広がっている。 「金色のヌーや白い毛で青い目のライオンなど養殖でしか作れない希少価値のあるミュータントを専門につくっているファームが南アフリカにあります。そこには南アフリカの資本家がこぞって出資しているんですよ。そこで作った希少種のカラーの動物っていうのは、ラスベガスで狩猟権をオークションにかける。金色のヌーが1000万円以上とか。それってもうピュアなハンティングじゃない。資本家のビジネスになっていますし、やっぱりアフリカのハンティングというのは、ちょっと行き過ぎているんじゃないの?と考えています」
サファリ

金色のヌー(Bloombergより)

 一方で、ハンターや狩猟牧場の人々にももちろん言い分はある。「トロフィー・ハンティングによる収益で、野生動物が保護されている」「年老いた動物を間引くことで、より若い動物の生殖が促進される」といったものだ。
サファリ

WDR Copyright © Vienna 2016

サファリ

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 ちなみに映画『サファリ』に登場するハンターたちは、特別に富裕層なわけではなく、ごく一般的な家庭の人々なのだという。この映画がプレミア上映されたヴェネチア国際映画祭では、上映後のスピーチに監督のザイドルとともにハンターがステージに立った。しかしザイドルは「ハンターたちをメディアというハンターに食わせるつもりはない」とハンターへの質問は拒み、取材対象を守った。  人はなぜ狩猟をするのか。その答えは千差万別である。だが、今、現実にアフリカで起きていることを知ることは、決して無益ではないはずだ。
サファリ

WDR Copyright © Vienna 2016

取材・文・インタビュー写真/織田曜一郎(週刊SPA!) 海老原哲二
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『サファリ』
1月27日(土)よりシアター・イメージフォーラム、2月3日(土)よりシネ・リーブル梅田、2月10日(土)から名古屋シネマテークほか全国順次公開。
映画公式サイト: www.movie-safari.com
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