骨董品店バイト店員の告発「本物に見えるように壺に傷を付けるのが仕事でした」
骨董品に傷を付ける理由は以下のとおり。
・綺麗すぎるとレプリカだと思われてしまう
・年代が不明なものは傷があることでより古く見える
「出回っている商品のなかには偽物も多く、いかにレプリカだと思われないか、古いものだと思わせるかが重要なんです。そもそも本物の骨董品が数万円という値段で売られているわけがないんですよ」
オークションサイトを見てみると、中国唐時代の仏像が1万円で売られている。唐時代というと1000年以上も前になるが、もしそれが本当なら桁が3つほど変わってくるそうだ。ほかの骨董品もだいたい1万円~3万円ほどで落札されている。値が張っても20万円ほど。なかには本物もあるのだろうが、これは加工が上手くいった結果ということもあるかもしれない。
「私のお店も売っている商品の8割以上は偽物でした。特別な資格や見る目があるわけではないですが、本物は見れば分かるんですよね。例えば、唐時代の壺や皿だったら裏がどうなっているとか縁の作り方とか、いろいろと証拠のようなものがあるんです。でも店主は偽物という言葉は使わずに怪しいとかグレーという表現をしていましたね。確信のあるものだけはお客さんに本物だと伝えていました」
傷のつけ方に関しては思い出したように店主の指導が入るそうだが、基本的にはバイトに一任されていた。
「店の入り口の床がイイ感じに荒い質感だったんですよね。壺とか皿はそこにスリスリとこすりつけたり、転がしたりして傷を付けることが多かったです。中はその辺の石とかペンとか。決まった道具があるわけではなく、店にあるもので済ませていました」
店頭で壺を転がしていたら周りにバレるのでは? と思ってしまうが、松井さんいわく「近所には普通にバレていた」そうだ。なんとも言えないユルさである。大きさにもよるが、壺1つあたり5分ほどで傷を付け終わるらしい。
「縁の部分など出っ張っているところに傷は付きやすいですから、そこを重点的に攻めます。また同じ方向ではなくいろいろな方向に無作為に傷を付けるのもポイント。写真を撮るときは傷のアップを撮ることも有効です」
再度オークションサイトを見てみる。たしかに、しっかりとスタジオを用意している出品者に限って、傷をアップで撮っている!
壺に傷を付ける方法
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