プロレス初心者でも楽しめる「豆腐プロレス」の魅力
2月23日、東海エリアで“格闘技の聖地”とも呼ばれる愛知県体育館にて「豆腐プロレス The REAL 2018 WIP QUEENDOM in 愛知県体育館」が行われた。
各メディアで既報のとおり、メインイベントである王者・ハリウッドJURINA(松井珠理奈)とシャーク込山(込山榛香)のタッグと昨年8月の後楽園ホールにてアンフェアにチャンピオンベルトを奪ったオクトパス須田(須田亜香里)とJURINAに反旗を翻した道頓堀白間(白間美瑠)のタッグの対決は、ダースーベイダーズの介入、まさかのディーヴァおだえりの加勢などもあり、オクトパス須田が勝利をもぎ取り決着を迎えた。
新たな彼女たちの一面が見える分、ケガへのリスクなどもあり、アイドルがプロレスをやることに賛否あるようだが、プロレスに詳しくない筆者なりに十分楽しめたイベントだった。そんな素人目線でも楽しめる豆腐プロレスの魅力を紹介していく。
1、開催地ならではのメンバーの参戦
まず、しゃちほこ連合に注目したい。ケンドー松本(松本慈子)、バブリー荒井(荒井優希)、マッチ音葉(町音葉)とSKE48メンバーから構成されており、愛知県体育館での開催ということもあり参戦がかなった彼女たち。
名古屋愛をうたっているが、実は愛知県出身者がおらず対戦者のバード高柳(SKE48所属で愛知県出身)に「しゃちほこ名乗ってて愛知出身ひとりもいねえじゃねえか!」と一蹴されるシーンもあり、地元ファンからは笑いも。
対戦相手にバード高柳がいることでSKE48内の先輩後輩バトルのようにも見え、地元愛知のSKE48ファンにとっては興味深い対戦カードとして期待値も高かったのではないだろうか。しゃちほこ連合の3人はプロレス初参戦だったが、マッチ音葉はロープ技の619やウラカン・ナラ(高角度後方回転エビ固め)を繰り出すなど存在感を発揮してみせた。普段から元気なイメージの彼女だが、プロレスで見せる力強さはまたひとつ彼女の魅力に深みを与えたように思える。
次回開催地は未定だが、地方開催があることで、全国に広がったAKB48グループそれぞれから新たな一面をみせるメンバーが発掘される可能性は大いにありそうだ。
2、身体能力の高さが際立つ技の数々
なんといっても観客を魅せるのは技の数々だ。正直全体を通してプロレスがうまいのかと言われればそんなことはないのだろうが、とりわけアクションの大きな技になれば知識が足らなくとも、その凄さは一目瞭然でインパクトも大きい。先ほどのマッチ音葉もだが、対戦相手であったトルネードたつまき(達家真姫宝)は、得意の“たつまき旋風脚”を4度繰り出し、観客を魅了した。
第2試合でもグイグイ中西(中西智代梨)はローリングクレイドルを繰り出し、初参戦だったエブリバディ奈緒(太田奈緒)は必殺技・NAOタニックで対抗するなど技の応酬。
その後の試合でもジャンボ佐藤(佐藤栞)のジャンピングジャンボラリアット、身体能力の高さで魅せたコマネチ湯本(湯本亜美)などコーナーから繰り出される技なども迫力があり、見る側をワクワクさせてくれた。
普段アイドル活動では見ることのない彼女たちの身体能力の高さを目の当たりにするのも楽しいかもしれない。
3、招待選手との熱い掛け合い。マジでぶつかっていくファイティングスピリット
昨年8月に行われた後楽園ホールでの興行では、デビー・コングとシェリー・ヤマナカという本職レスラーを相手に戦った工事現場同盟(当時はユンボ島田が参戦)。今回もロングスピーチ横山(横山由依)率いるヨコヤマジャパンに招待選手として、グレゴリオ杏奈(アジャ・コング)が参戦したのだ。
無謀としか思えないこのカードでグレゴリオ杏奈とまず向き合ったのは、これがプロレスデビューとなるアンチスリップ真木子(斉藤真木子)。その光景に会場からは割れんばかりの真木子コールが。アンチスリップのエルボー連打にびくともしないグレゴリオ。クイウチ松村(松村香織)が代わるとクイウチチョップなどの大技で応戦。
その後、ロングスピーチ横山がリングに上がると、場外ではアンチスリップとグレゴリオがイスでぶつかり合うなどヒートアップしていく。グレゴリオから繰り出されるブレーンバスター、パイルドライバーといった大技の数々に耐えながら応戦する工事現場同盟の姿に会場からも大きな歓声が起こる。
最終的にボイス山田(山田野絵)がロングスピーチにヨコヤマスペシャルを決められて負けてしまった工事現場同盟。ヒールなのに難敵に全力で挑む姿に感動すら覚える一戦だった。このマジな姿はぜひ一度生で見てほしい光景だ。
今回のゲーム内容や勝敗から今後も続くことが予想されるリアル豆腐プロレス。今度はどの選手が熱い戦いを見せてくれるのか。まだまだ目が離せない。
▼第1試合
「白金ジム」
○バード高柳(高柳明音)/バトンかとみな(加藤美南)/トルネードたつまき(達家真姫宝)
VS
「しゃちほこ連合」
×バブリー荒井(荒井優希)/ケンドー松本(松本慈子)/マッチ音葉(町音葉)
10分19秒 片エビ固め ※PK
▼第2試合
「錦糸町道場」
マイケル下口(下口ひなな)/×エブリバディ奈緒(太田奈緒)
VS
「ダースーベイダーズ(白金ジム)」
○グイグイ中西(中西智代梨)/ミラクルしづか(大家志津香)
12分16秒 四の字ジャックナイフ固め
▼第3試合
「錦糸町道場」
サックス古畑(古畑奈和)/ストロベリー向井地(向井地美音)/○MAX 中井(中井りか)/プロフェッサー田北(田北香世子)
VS
「マッドドックス(白金ジム)」
×マッドドック宮崎(宮崎美穂)/左上せいちゃん(福岡聖菜)/オッタマゲ・マ(馬嘉伶)/カツオ廣瀬(廣瀬なつき)
9分15秒 反則勝ち
▼第4試合
○ディーヴァおだえり(小田えりな)
VS
×ジャンボ佐藤(佐藤栞)
9分8秒 おだえり・ブレイクス・アームバー
▼第5試合
×コマネチ湯本(湯本亜美)
VS
○ヤバクネ谷口(谷口めぐ)
12分50秒 片エビ固め ※ヤバクネランナー
▼セミファイナル
「ヨコヤマジャパン(錦糸町道場)」
モーモー川本(川本紗矢)/グレゴリオ杏奈(アジャ・コング)/●ロングスピーチ横山(横山由依)
VS
「工事現場同盟(白金ジム)」
アンチスリップ真木子(斉藤真木子)/クイウチ松村(松村香織)/×ボイス山田(山田野絵)
25分5秒 片エビ固め ※ヨコヤマスペシャル
▼メインイベント
×ハリウッドJURINA(松井珠理奈)/シャーク込山(込山榛香)
VS
○オクトパス須田(須田亜香里)/道頓堀白間(白間美瑠)
17秒36分 片エビ固め ※シャイニングウィザード
取材・文・撮影/八木康晴
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