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3年間で500記事を書き散らしたブロガー“勝手につくば大使”の苦悩――「やめちまえ!」と言われてもつくばが好きだから…

事件現場さながらの車中泊

 電車がほとんど通っていないつくば市。大使の取材活動は車での移動がメインである。真冬のある日、マグロの解体ショーが市内の居酒屋で行われるという噂を聞きつけ、すぐさま向かった大使。カメラを両手に取材だけに専念するつもりであったが……。 「お店の方がスゲー歓迎してくれまして。『どうぞ楽しく飲んで行ってください』と言われちゃったもんだから、取材だけじゃなく客としても楽しまなきゃいけないなと思ってしまって結局ほろ酔いに。店にいた人たちは『大使、楽しそうに帰っていったな~』という感じでしょう」 勝手につくば大使 もちろん運転はできないので、大使は近くに止めてあった車の中で一泊。いつから放置してあるか分からない毛布にくるまって寒さをしのいだ。しかし、ハウスダストアレルギーでくしゃみが止まらない。しかも、あまりにもお金がないので暖房も付けられずに、朝まで震えていたそうだ。 勝手につくば大使「まわりから見たらもう殺人現場ですよ。朝起きたときの疲労感はデカかったですが、生きてるなって実感しました」

愚直に生きる「金にならなくてもやるしかない」

 ブログを覗いてみると全身で取材を楽しんでいる様子の大使。しかし忘れてならないのは、500記事以上にも及ぶ活動がまったくお金になっていない(3年間で2万円)ということだ。そのうえ「やめちまえ!」と怒鳴られるなんて……。 「もう疲れました。いくら頑張ってもなかなかお金にはならない。それでも僕は明日も明後日も取材に行くしかないんです。だって、つくばが好きだから」
勝手につくば大使

ブログの執筆中にふて寝する大使

 どこまでも愚直な大使。彼が成功をつかむまで、これからも彼の活動を追っていきたい。  そんな大使であるが最近とあるテレビ番組のディレクターから突然連絡がきたそうだ。地上波で大使が見られる日も案外近いかもしれない!? <取材・文/國友公司>
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion
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