W杯開催国ロシア国民の冷めた心に火が着いた!街は軍隊が出る程の大盛り上がり。いざ16強の戦いへ
昨日から16強の戦いが始まり、フランス×アルゼンチン、ウルグアイ×ポルトガル戦の2戦は追いつ追われつの好ゲームであった。記者は現在モスクワに滞在しているが、街なかの飲食店では、試合を中継し、その周りには多くの人が集まっていた。
しかし、W杯の盛り上がりは「開催国の成績次第」と言われる。とくに今回のロシアはFIFAランキング70位(日本は61位)で出場32チームのなかで最も低い。代表チームは昨年の10月の韓国戦から勝ちがなく、開幕前、国内ではいささかしらけムードであったことは否めない。
しかし、開幕戦。相手はFIFAランキング67位で2番めに低いサウジアラビアだったとはいえ、5−0の快勝。“豹変”とも言うべき大勝にロシア人たちの冷めた心に火が着いたのだ。
’02年の日韓大会もそうだったように、開催国が開幕戦で勝ち点を上げることがいかに重要で、必然かというデータもある。過去20大会で初戦で敗戦したチームは一つもないのだ。組み合わせの妙と言えばそうだが、開催国が負けては絶対にならないのだ。
記者はロシアの予選リーグの2回を街なかで観ていた。2戦目(対エジプト、3-1で快勝)は日本×コロンビア戦の直後のサランスク、そして3戦目(対ウルグアイ、0-3で完敗)はサンクトペテルブルクでそれぞれ観戦した。
2戦目のエジプト戦の勝利で大会一番乗りで決勝トーナメント進出を決めてから、盛り上がりは一気に加速した。テレビでは連日特集が組まれ、街の盛り上がりを報じるニュースや、試合の解説番組、はたまた試合の再放送が頻繁に放送され、他国の試合をつけたつもりが、同時刻に何故かやっているロシアの再放送をうっかり見せられていたこともあるくらいだ。
25日にサンクトペテルブルクの街に入ったときもそれを感じた。実は21日にもこの街にいたのだが、その時とは様相が変わっていた。街のあちこちで国旗や、応援のマフラーが売られ、売り子が立って売ったりしていたのだ。街中いたるところで「ロシア!ロシア!」(正確には「ルゥスィア」とルの部分を巻き舌にして発音する)の掛け声が自然発生的に起こる。車にハコ乗りして国旗を振る暴走族が現れるといった具合だ。
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