恋愛・結婚

恋愛素人が「ローラ似の金髪美女」を彼女にできたと思ったら…次第につのる疑惑と不安の日々

アンナの彼氏登場!いったい自分は何番目なの?

「お目当てのバンドの出番が終わって、ライブハウスの前でダラダラ話してたんですよ。そしたら、いきなり背の高い塩顔の男が現れて彼女と口論を始めました。周りが止めに入ってその場はおさまりましたけどね。アンナいわく『ワタシニ、ツキマトウ、ストーカー』って」  その後、ストーカー男とは行く先々で何度も顔を合わせることになる。 「行きつけのバーとかではよく遭遇しましたね。いつも困った顔をしているんですよ。ストーカーとはいえ悪い人には到底思えない。バーのマスターに彼のことを聞くと『あれアンナの彼氏だよ』って。どうやらアンナと喧嘩の最中みたいだったらしく、寄りを戻すべく必死だったみたいで……。それを聞いて彼のことがかわいそうになって。まあ僕も相当かわいそうですけど(苦笑)」  しかも、アンナの彼氏はこの男だけではなかった。次第に何人もの男の存在が明らかになっていく――。 「頻繁にアンナから呼び出されるようになったんですよ、しかもいきなり。で、行ってみると知らない男がいて、一緒についてくる。その男も、僕の顔を見て困惑して不機嫌そうになる。そんなことが何度もありましたね」

アンナの正体が発覚!でも「これが本当の愛なんだ!」って思って

 会うたびに「ダイスキ」「アイシテル」と言われ、キスもするし、セックスもする。戸川さん的には自分は恋人のはず。しかし、頻繁に見え隠れする元カレかセフレかわからない男の影……。「自分はいったい何番目なの?」戸川さんはアンナに対して不満を述べることはなかったのか? 「何度もありましたよ。でも、その度に『テヘヘェ☆』ってはぐらかされる。ある日、我慢できなくなって強めに問い詰めたのですが、『てめぇ、男のくせに、いちいち細かいこというんじゃねえよ! 黙れ、死ね、バカ!』って、今までにない流暢な日本語で罵られ、殴られました」  天真爛漫な金髪美女から暴力オンナへと変貌したアンナ。 「その後知ったのですが、彼女は元々、熊本に住んでいて、地元でワルだったみたいです。出会った男に近づいて、食事をご馳走してもらったり家に住まわせてもらったりして、居場所を転々としていたみたいです」  そんなアンナの本性を知っても、戸川さんは彼女から離れられなかったそうだ。 「だって、好きなものは好きなんですよ。辛いけど『これが本当の愛なんだ!』と思ってました」  そんな戸川さんの恋が終わりを迎えたのは、アンナとルームメイトの暴力沙汰だった。 「詳細はわからないけど、どちらかが刃物を持ち出して警察沙汰になってしまいました。あとから聞いた話だと、ルームメイトの女のコはアンナの“彼女”だったそうです。僕を含めて複数人の男と付き合っていただけでなく、レズビアンと同棲もしていたなんて……」  騒ぎのあと、アンナは故郷の熊本へ帰っていったという。東京にアンナへの未練をいまだに断ち切れないでいる戸川さんを残して。 <文/串守シャモ イラスト/超ズボン> ― オレ史上最悪の恋愛体験 ―
1
2
おすすめ記事