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高畑充希の「紅」熱唱CMで話題のX JAPANが犯した“前科”

音楽雑誌に音源発売を告知していた証拠の数々

 もう30年以上前になるが、1986年8月号の『Rockin’f』(立東社)に、「秋には、EXTASYレーベルよりLPをリリースする予定、これに収録されるライヴが7/25に神楽坂エクスプロージョンで行なわれる。大声の人、大歓迎!」という告知が掲載された。  同様に、同月の『BURRN!』(シンコー・ミュージック)にも「7/25神楽坂・エクスプロージョンにてライヴ・レコーディング。ライヴ/スタジオ録音混合によるフルLPをExtasy レーベルより秋頃リリース予定」の告知が掲載されたことがあった。  そして翌月の『BURRN!』(1986年9月号)には、「秋頃リリースが予定されている3枚目のシングルのリハーサル中」という情報が掲載。  だが、秋になるも、ライヴ/スタジオ録音混合によるフルLPおよび3枚目のシングル、どちらもリリースされることはなかった……。  すると、以前の記事でも紹介した『メタル・インディーズ・マニア』(1986年11月、立東社)に、「3rdEP『紅』を、87年1月にEXTASY RECORDSよりリリース予定」の告知が掲載された。いよいよか?

Xの「3rdEP『紅』を、87年1月にEXTASY RECORDSよりリリース予定」の告知が掲載された『メタル・インディーズ・マニア』(1986年11月、立東社)

 しかし、3rdEP『紅』は、1月にリリースされなかった……。  さらに『Rockin’f』(1987年2月号、立東社)に、「メンバーも決定しました。4月にはアルバムを出すし、ライヴも始めます。ファンのみんなは気合いを入れて待っててくれ!」(エックス、ヨシキ)との、YOSHIKI直々のコメントが掲載された。3カ月遅れか、まあしょうがない。  しかし皆さんご存知の通り、1987年4月、アルバムはリリースされなかった……。  結局、Xファンは、それからさらに1年待たされ、1988年4月にやっと1stアルバム『Vanishing Vision』がリリースされた。
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X JAPANのアルバムは待つ価値がある!
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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