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高畑充希の「紅」熱唱CMで話題のX JAPANが犯した“前科”

<文/山野車輪 連載第36回>

高畑充希の熱唱CMで話題のX JAPAN「紅」

 NTTドコモの新CM「紅の空に」篇が、今話題である。記者役の女優・高畑充希が、夕暮れの港で紅色の空をバックに、ドコモのスマホをマイク代わりにX JAPANの代表曲「紅」を熱唱する。  話題になっているのは、一つは高畑充希の歌唱力。オリジナルではX JAPANのヴォーカルToshlがハイトーンボイスでシャウトするサビを、高畑充希は深みのある声でしっかり唄い上げている。YouTubeにアップされた公式動画もすでに約200万回の再生回数を記録しており、ネットでは「上手すぎる!」と絶賛の声が上がっている。  高畑充希の歌唱力はホンモノだ。彼女は中学生の時にホリプロ主催の『山口百恵トリビュートミュージカル』の出演者オーディションで9621人の応募者から主演の座を獲得し、女優デビューを果たし、16歳から22歳までの6年間にわたりミュージカル『ピーターパン』で8代目ピーターパン役を務めるなど、その歌唱力と演技力は折り紙つきだ。  話題のもう一つは、このCMが「うるさい」というもの。だがこれはドコモがCMを大量にお茶の間に投下しているからであり、高畑充希にとっては「とばっちり」であろう。  筆者は、1989年のメジャー・デビューからのX(X JAPAN)のファンだったりする。X JAPANは、V系(ヴィジュアル系)の始祖として有名だが、デビュー前は、もっとも熱かった80年代後半期の関東インディーズメタル・シーンで揉まれ、這い上がってきたバンドだ。  そのX JAPANの代表曲「紅」が、まさか日本有数の巨大企業NTT(しかもNTTの前身は公共企業体である日本電信電話公社だ)のCM曲として採用され、お茶の間に流れる日が来るとは、筆者としては感慨深いものがある。  「紅」についてはすでに本連載第19回(「メタラーによるジャパメタ蔑視を打ち破ったX JAPAN――「紅」とYOSHIKIの突破力」)で述べたのでそちらを参照いただくとして、今回は、X JAPANの“前科”について紹介したい。
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“出す出す詐欺”
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