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翻る旭日旗ジャケ! 響く軍歌メタル!「愛国心」ならRADWIMPSに負けないジャパメタ・アーティストたち

(山野車輪/文 連載第34回)

「愛国心」ならJポップに負けていない! 日本の軍歌メタル


 今回のRADWIMPSの「HINOMARU」騒動にて、「愛国=悪」みたいな風潮、そして“一部の人”による言論弾圧を見せつけられたことで、日本社会がおかしくなっていることを、多くの人が感じ取った。また、「日本を好き」と言いづらい日本社会の「反愛国」の空気・風潮に、息苦しさをも感じたのではないか。「愛国ソング」は、日本社会に横たわっている病巣をあぶり出す効果があったと言えよう。

 さて、本連載のテーマはジャパメタである。ヘヴィメタルとは英国発祥の音楽で、キリスト教文化圏にあることから、反宗教的、反キリスト教的なスタンスに立つ。パンクと違って、社会問題よりも宗教的、観念的な内容や神話の世界が歌われるジャンルだ。

 しかし、宗教的な締め付けがない日本においては、欧米のような反宗教的なメッセージは込められず、神話的世界観のみが描かれた楽曲が多くなり、必然的にファンタジーなイメージになる。

 また、日本のヘヴィメタル・シーンは、本場である海外メタル・シーンに即した音楽が尊ばれるため、日本らしい楽曲は“歌謡メタル”などと揶揄され、低く見られてきた。X JAPANが評価されているのはごく最近の話で、それまで土着的なアーティストは嫌わてきたのである。

 だから、日本のヘヴィメタル・シーンにおいては、国内の政治的左右対立のひとつである「愛国」を歌うなぞ、Jポップ以上に「もってのほか」であろう。

 だが、そんな「愛国」への風当たりが強い日本のヘヴィメタル・シーンでも、その空気に抗うかのように、母国を愛する楽曲を歌うアーティストが存在する。そこで今回は、“日本愛が強すぎる”ジャパメタ・アーティストを紹介したい。

凱旋MARCHの1stフルアルバム『大行進』(2003年)

 RADWIMPSの「HINOMARU」への批判に、「軍歌っぽい」というものが見られた。つーか、軍歌はダメなのだろうか? 中国やアメリカやフランスの国歌は「軍歌っぽい」どころか軍歌そのものだが、それもダメなのか? 軍歌はれっきとした音楽ジャンルのひとつである。

 そしてジャパメタにも、軍歌を題材にしたアーティストが存在する。それが凱旋MARCHというバンドだ(現在活動休止中)。彼らの存在は、“一部の人”にとって、虫酸が走るどころか、徹底的に弾圧を加えたくなること間違いなしと言えよう。MANOWARやACCEPTのような正統派ヘヴィメタル以上に気合の入ったマッチョな漢メタルである。

 2003年に発表された1stフルアルバム『大行進』は、男泣きする暑苦しくクドく濃いパワーメタルで、「闘魂行進曲」「闘人」「再戦」「日没」など、楽曲名も漢臭さでむせてしまう。バンド名が凱旋MARCHということもあり、10曲のうち4曲の楽曲名に「行進」というキーワードが含まれている。軍歌メタルの傑作アルバムであり、日本男児にオススメである(笑)。敬礼!

 ヴォーカルの齋藤は、ソロアルバム『日章』(2008年)も発表している。2曲目「日本男児の心意気」は、男の生き様と暑苦しさ、そして哀愁が漂う名曲だ(笑)。凱旋MARCHは、「日本を好き」と言いづらく、息苦しい今の時代に必要とされているアーティストと言えるが、悲しいかな、世に出るのが15年早過ぎた。

 軍歌メタルと言えば、ZENITHRASHというバンドが、2015年に、終戦70年を記念して大日本帝国の軍歌をカヴァーした企画アルバム『Genuine Prestige ~誠たる誉れ~』を発表している。全11曲収録されており、1曲目「日本民族永生歌」は同バンドのオリジナルで、他の「元寇」「青年日本の歌」「出征兵士を送る歌」「君が代」など10曲は、日本の伝統的な軍隊楽や国歌のカヴァーである。“一部の人”は、曲名だけで発狂しそうだ(笑)。

ZENITHRASH『Genuine Prestige ~誠たる誉れ~』(2015年)

 彼らはここまで愛国心を歌にしても謝罪していないのだから、RADWIMPSは謝罪する意味がなかった。軍歌も、ほかの音楽ジャンルと同様に尊重されるべき文化だと筆者は考えるが、文化に対する弾圧行為を悪と考えない“一部の人”には、通じないだろう。やれやれである。

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特攻を歌ったジャパメタ・アーティストの想い

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!





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