エンタメ

伝説のイタリア産メタル・バンドSKYLARKはなぜ2ちゃんねらーから愛されたのか?

<文/ 山野車輪 連載第40回>

イタリア産メタルが日本で盛り上がった90年代後半

日本でも熱狂的なファンから愛されたイタリアのメタル・バンドSKYLARKのフロントマン= エッディ・アントニーニ(大阪・心斎橋の「80’sロックバー“FREAK”」にて/筆者撮影)

 大阪・心斎橋の「80’sロックバー“FREAK”」。ここは、関西インディーズメタルとアニソンが異様に強い。マスターから、メンバーですらも持っていないであろうTERRA ROSAの初期ライヴ映像も観せてもらった。LOUDNESSメンバーの直筆サイン入りポスターも貼ってある。ここで、「スカイラーク全部」で伝説的存在のイタリア産メタル・バンド=SKYLARKのエッディ・アントニーニへのインタビューを行なった。 山野「日本では90年代後半からイタリア産メタルが盛り上がりましたが、そのことについてエッディさんは、いつ頃わかりましたか?」 エッディ「すぐ、すぐ。日本のヘヴィメタル専門レコード店=ディスク・ヘヴンが、SKYLARKの『The Horizon & The Storm』(自主制作、1995年)を10枚頼んで、すぐに良いと思ってくれました。ほかのバンドは大きなレコード会社がプロモーションを行なって売り出しましたが、SKYLARKは違います。自主制作で売り出したのに、すぐに有名になってビックリしました」 山野「大きな宣伝が打たれることなく、ディープなメタラーに評価されたんですね。僕は、1997年発表の『Dragon’s Secrets』から知ったんですよ」 エッディ「『Dragon’s Secrets』は、三菱のメルダックが作ったアルバムです。私にとってSKYLARKのなかで一番良いアルバムと思っています。とても特別なアルバムです」 山野「僕が新世代のイタリア産メタルを初めて聴いたのは、まずはテクノっぽかったLABYRINTH、その次にSKYLARKかRHAPSODY、どちらかです。しかし、それ以前のイタリア産メタルについては、あまりわかりません。どんな状況だったのでしょうか?」 エッディ「うーん……、昔のイタリアには、パワーメタルはあんまりないです。私にとって、RHAPSODYとLABYRINTHとSKYLARKは、ほかとは違って一番大切なバンドです。以降、バンドはたくさん登場したけど、この3バンドが最初に登場したのだから」 山野「イタリア産メタルが90年代後半に盛り上がった理由については、どのように考えますか?」 エッディ「あー難しい……。理由はわからないね……。ただしSKYLARKの登場については言える。私は子どもの頃からアニメの音楽を聴いており、ちょっとだけ日本の文化を知っていました。それに、イタリアはラテンの国だけど、そのなかでSKYLARKはクラシカルな音楽をやっていた。そして、アニメの国で、クラシカルな音楽が好きな日本人から支持されました」
次のページ right-delta
日本のオタクカルチャーを愛したSKYLARK
1
2
3
4
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

記事一覧へ
ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

おすすめ記事