由緒正しい高級時計は腕に巻くと、気分が高揚するだけではない。セレクト次第では財産にもなりうる奥深い世界が広がっている。 「先日200万円で購入したロレックスのデイトナは黒いベゼルにボディのステンレスの質感が見事な逸品ですが、投資も兼ねています。デイトナをはじめとするロレックスのスポーティなラインにはエクスプローラやGMTが挙げられますが、5年後に購入した値段以上で売れることもある。このデイトナは250万円になればいいなと思ってます」 　そう語るのは、並行輸入品や中古を取り扱う「ロデオドライブ」にてオークションの責任者を務める齋藤清氏。目利きのプロが語る高級時計市場の常識は興味深い。 「女性用ならカルティエのタンク、富裕層の間ではパテックフィリップが人気で、リセールバリューが高い商品として知られています。所有して満足感を得られるうえ、資産として目減りしないのは大きな魅力。パテックフィリップのノーチラスというモデルはその最たる例かもしれません。 人気に火がつく前は300万円台で購入できたのですが、現在ウチの店舗にある型には700万円の値がついており、『親から子に資産として受け継げるもの』という捉え方をされています。 逆に手を出さないほうが無難なのは、修理やメンテに難があるブランド。ルイ・ヴィトンのスマートウォッチは一見華やかですが、内蔵電池の交換が利かないため寿命がくると使い物にならなくなる可能性があるので注意が必要です」 　大きな買い物だけに、情報の有無が大きな差を生む。下調べは入念に。