お金

「親の資産」を子が把握しておいた方がいい理由。9割が質問することをためらっている

CH052

親の資産について聞くには自分の経済状況を伝えよう

 親の資産を把握すべきもうひとつの大きな理由は、相続税対策の必要性を見極めるためだ。 「相続税は、親が亡くなった時点での遺産をもとに計算するため、その遺産が相続税の基礎控除額を超えてしまっていれば、当然ながら相続税が発生します。そのときになってから対策をしようと思っても手遅れですが、あらかじめ資産を把握していれば、生前贈与などの手を打つことができます」  贈与で非課税になるのは年間110万円まで。さらに、相続開始前の3年以内に贈与された財産については遺産に加算されてしまう。なるべく相続税をゼロにしたいなら、一刻も早く親の資産を把握すべき理由がおわかりいただけただろう。  しかし、9割の人が聞きあぐねているこの質問を、一体どうやって切り出せばいいのか? 「大前提として、親のお金は親の老後のために使うことを伝え、そのうえで自分自身の経済状況を親に開示しながら、『今の状態では、父さん母さんの面倒を見きれるかどうか心配だ』と、あくまで親の立場に寄り添って話をすることです。そうすれば『うちには今、これくらい資産があるけれど……』と、具体的な話に入ってくれるでしょう」  かつて永峰氏は、年金破綻のニュースを見ているとき、母親と『自分の将来の年金』について話し合ったことがあったという。 「そのとき、母が以前から子供の年金を心配していたことを知りました。月収、ボーナス、貯蓄額、ローンの額など、子供が置かれている現実を知ることによって、親も“資産を子供に引き継ぐ”必要性を理解し、情報を共有することに前向きになってくれるはず」  いざという日のために、親と腹を割ってお金の話ができる態勢を整えておこう。 【永峰英太郎氏】 ルポライター。新聞社、出版社勤務を経てフリーに。4年前、認知症の父親の後見人となる。著書に『認知症の親と「成年後見人」』(ワニブックス) イラスト/さとうただし アンケート協力/エコンテ ― [老親のカネ]防衛術 ―
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